2012.11.21

【押立杯関西少年少女選手権・特集】天国の母からの応援を支えに最後のマットで燃えた…高槻連盟・山本美紗

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(文=樋口郁夫)

 押立杯関西少年少女選手権の5~6年女子軽重量級に出場した山本美紗(大阪・高槻連盟=右写真)は今年3月、最愛の母・正美さんを乳がんのため亡くした(享年37歳)。悲しさを乗り越えてマットに上がり続け、この日、最後のマットで全力投球。勝利はならなかったが、「内容はよかったと思います」と振り返り、天国の母も喜んでくれるような全力ファイトでレスリング生活の最後を飾った。

 母を亡くし、2歳下の妹(美佳)とともに悲しみに包まれたが、祖父であり、正美さんの父である同連盟の寺内正次郎代表は「姉として頑張らなければという気持ちだったようです。家事を一生懸命にやるなど、妹を支えてくれました」と振り返る。

 本人も「お母さんがおらんから、その分、頑張ろうと思っていました。いつも天国から見守ってくれていると思います」と、母を支えにここまできたことを口にした。

 レスリングと陸上をやっていた母と同じく、陸上も並行してやっていた。100メートルを13秒89で走り、茨木市の大会で優勝したこともあり、卒業後は陸上に専念することを決めている。レスリングで鍛えた体力と精神力、そして天国からの母の支えで大きくはばたいてほしい。