※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
近来まれに見る接戦が予想される全日本大学選手権(11月10~11日、東京・文京スポーツセンター)。7階級制になって以来、最小の得点で優勝したのが2009年の拓大で42点。この時は2位の専大、3位の山梨学院大も0点の階級が3階級あって得点が伸びず、2位と10点差がついた。
1位と2位の得点が最も接近したのが、2006年(優勝=拓大、2位=日大)の4.5点。同じ2階級制覇ながら、0点の階級の差で優勝が決まった。
昨年も大激戦で、96kg級決勝が終わった段階で、拓大が33.5点、早大が31.5点。120kg級はその両チームの激突となり、拓大が勝ってリードを守った。得点差は5点。早大が勝てば、43.5点-42.5点となり、1点差で早大の勝利となった。
今年はどんなドラマを見せてくれるか?
◎最近10年間の大学対抗得点上位成績
年 | 優勝 | 得点(優勝階級) | 2位 | 得点 | 3位 | 得点 |
2002 | 山梨学院大 | 53点(1階級) | 日体大 | 42点 | 拓 大 | 27点 |
2003 | 日体大 | 52点(2階級) | 日 大 | 42点 | 拓 大 | 35点 |
2004 | 日 大 | 49点(2階級) | 拓 大 | 37点 | 日体大 | 35点 |
2005 | 日 大 | 45.5点(1階級) | 日体大 | 36.5点 | 拓 大 | 30点 |
2006 | 拓 大 | 43.5点(2階級) | 日 大 | 39点 | 専 大 | 33.5点 |
2007 | 拓 大 | 56点(3階級) | 日体大 | 41.5点 | 山梨学院大 | 33点 |
2008 | 日体大 | 63・5点(4階級) | 拓 大 | 46・5点 | 山梨学院大 | 34・5点 |
2009 | 拓 大 | 42点(1階級) | 専 大 | 32点 | 山梨学院大 | 31点 |
2010 | 拓 大 | 53.5点(4階級) | 早 大 | 40.5点 | 日 大 | 40点 |
2011 | 拓 大 | 45.5点(2階級) | 早 大 | 40.5点 | 日体大 | 36.5点 |
◎全日本大学選手権最近10年の歩み
【2002年】
7階級を7大学の選手が優勝という空前絶後の状況となった。84kg級の小幡邦彦(山梨学院大)が史上3人目の4連覇を達成した。大学対抗得点は、山梨学院大が53点をマークし、2位の日体大に11点差をつけて優勝した。
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【2003年】
66kg級の佐藤吏(早大)と96kg級の松本真也(日大)が史上11、12人目の1年生王者へ。大学対抗得点は、2階級を制した日体大が、120kg級が0点だったにもかかわらずに52点をマークし、42点の日大を押さえて2年ぶり18度目の優勝を飾った。
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【2004年】
高校四冠王に輝いた高塚紀行(日大)が史上13人目の1年生王者へ。大学対抗得点は、2階級を制した日大が49点をマークし、拓大に12点差をつけて6年ぶり5度目の優勝。84kg級の0点をはね返した。
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【2005年】
60kg級の大沢茂樹(山梨学院大)が、世界選手権代表と前年覇者を破り、大会史上14人目の1年生王者に輝いた。大学対抗得点は、日大が1階級優勝で55kg級が0点だったにもかかわらず45.5点をマークし、日体大に9点差をつけて2年連続6度目の優勝。
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【2006年】
120kg級の荒木田進謙(専大)が史上15人目の1年生王者へ。大学別対抗得点は、拓大が43.5点をマークし、昨年まで2連覇を達成していた日大にわずか4.5点差で優勝。拓大は66k級で0点だったのに対し、同じ2階級制覇の日大は3階級で0点だったのが響いた。
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【2007年】
96kg級の斎川哲克(日体大)が史上7人目の学生四冠王へ。大学対抗得点は、3階級を制した拓大が、55kg級が0点だったにもかかわらず56点をマークし、日体大に14.5点の大差をつけて優勝した。
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【2008年】
120kg級のボリス・ムジコフ(山梨学院大3年)が史上8人目の四冠王へ。大学対抗得点は、日体大が4階級制覇で63・5点にマーク、2位の拓大に16点の大差をつけて5年ぶり19度目の優勝。
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【2009年】
日体大が不参加。2年連続学生四冠王を目指したボリス・ムジコフ(山梨学院大)は荒木田進謙(専大)に敗れて記録達成ならず。大学対抗得点は、42点をマークして、専大に10点差をつけて2年ぶり3度目の優勝。拓大は2階級で0点があったものの、専大、3位の山梨学院大ともに3階級で0点があり、差となった。
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【2010年】
120kg級に出場した岡太一(拓大)が3階級にわたって学生四冠王を達成。史上9人目。大学対抗得点は、4階級を制した拓大が66kg級の0点をはね返して53.5点をマークし、日大に13点差をつけて2年連続4度目の優勝。日大も2階級を制したが、3階級で0点があり、大差をつけられた。
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【2011年】
74kg級の高谷惣亮(拓大)が史上4人目の4連覇を達成。60kg級の池田智(日大)が史上16人目の1年生王者へ。大学対抗得点は、最後の120kg級決勝で勝った方が優勝という状況となり、拓大(45.5点)が早大(40.5点)を破って3年連続5度目の優勝。