2012.09.25

金4個のゴールデンGP決勝大会・女子チームが帰国

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(取材・撮影=保高幸子)

帰国した日本チーム

 アゼルバイジャン・バクーで行われたゴールデンGP決勝大会に出場し、4階級で金メダル、3階級で銅メダルを獲得した女子チームが9月24日、モスクワ経由のアエロフロートで成田空港に帰国した。

 10選手が参加し、7人がメダルを獲得。4階級を制し、日本の若手選手の強さを見せつけた。吉村祥子監督(エステティックTBC)は「いい結果でした。選手達が積極果敢に闘ってくれた」と選手達を讃えた。


 ■吉村祥子監督(エステティックTBC)「優勝した選手は崩しからのタックルが決まるなど、日本人らしいレスリングで勝ちました。急きょ参加することになった3選手は到着した日に計量と、慌ただしかった中、飯島千晶(日大)は金メダルにあと少しだった。準決勝は汗で滑ってしまい、決勝に上がれなかった。先に到着していた選手は、会場とホテルが遠かったり、日本選手団だけ離れたホテルに泊まることになってマットが使えないなど勝手が悪い中、よくやったと思います。メダルを獲れなかった選手も、トップの大会でいい経験ができたので遠征の価値は十分にあったと思います。ロンドン五輪、世界カデット選手権、世界ジュニア選手権、そしてこの大会といい流れで来ています。世界女子選手権から、またこの先も、この流れを続けられるよう気を引き締めていきたいと思います」

 ■48kg級優勝・岩群安奈(至学館大)「外国人選手と試合をすることが初めてだったので、緊張はしましたが、怖いもの知らずで強気で行けました。決勝の相手が2010年世界学生選手権3位の選手とは知りませんでしたが、組んだ時に体が大きくて上半身が強いな、とびっくりしました。それでも動いて崩していったら、自分のペースで試合が運べて勝つことができました。相手との距離のつめ方に失敗して一度タックルをとられてしまったので、修正したいです。次は全日本選手権での優勝に向けて頑張りたいです」

優勝選手。左から岩群、宮原、村田、坂野。

 ■51kg級優勝・宮原優(JOCエリートアカデミー/東京・安部学院高)「昨年のこの大会では1回戦負けだったので、これ以上、下はないからと緊張せず思い切ってできました。夏の全国大会(全国高校女子選手権)が終わってから、タックルでポイントにつなげる練習をしてきました。今回は成果が出せたと思います。まだ外国人相手だと力負けするところがあったので、もっとパワーをつけたいです。フォールできるところで逃がしてしまったことを反省し、しっかりフォールをとれるようにしたいです」

 ■55kg級雄書・村田夏南子(日大)「世界ジュニア選手権は手術からの復帰戦で緊張しましたが、それと比べて今大会は緊張しませんでした。決勝のポーランド選手は、吉村コーチから「タックルに入ってくる」と聞いていたので、日本人と試合するつもりでやりました。反省点は、がぶったのにポイントが取れなかったことです。しっかりバックに回れるようにしたいです。今年は天皇杯(全日本選手権)で優勝して、来年は世界選手権に出場したいです」

 ■59kg級優勝・坂野結衣(東京・安部学院高)「(クリッパン女子国際大会を入れて国際大会に7大会連続優勝)「いつもどおりにできました。決勝の相手が昨年の世界チャンピオンだとわかった時は緊張しましたが、相手が格上なので『当たって砕けろ』という気持ちでいつものレスリングをすることに集中しました。相手にとられた第2ピリオドはタックル返しを受けてしまったので、今後の課題になりました。国内大会で日本選手とやる方が緊張するのですが、国内でもしっかり勝てるようにしたい。天皇杯(全日本選手権)で勝って、来年は今年逃した世界ジュニア選手権と世界選手権に出たいです」