2012.08.27

金メダル6個のカデット女子チームが帰国

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 アゼルバイジャン・バクーで行われた世界カデット選手権で、6階級優勝した女子チームが8月26日、成田空港着のカタール航空機で帰国した。(右写真)

 過去例のない6階級優勝に、藤川健治監督(自衛隊)らの表情は明るく、「全試合、本当によくやってくれました。団体優勝を獲ったんですけども、(出場した)8階級の中で6階級を獲ったのはすばらしい成果だと思います」と振り返り、「この子たちが2016年のリオデジャネイロ・オリンピックや2020年の東京オリンピック(招致活動中)につながってくる選手だと思いますので、日本の強さを見せたのは意義のある大会だったと思います」と総括した。

(取材・撮影=矢吹建夫)


 ■藤川賢治監督(自衛隊)「遠征に先立ち、選手には『どのカテゴリーでも勝たなきゃいけない。強い日本女子レスリングを世界に知らしめるためにも、ロンドン・オリンピックが終わったすぐ後の大会で強い日本を証明しなければならない』と伝えた。本当に執念を持ってレスリングをやってくれまして、特に良かったのは、勝っていても、ラスト10秒、20秒にタックルでポイントを取ったこと。逃げのディフェンスでは勝てないと思います。ですから最後の最後まで攻撃精神を忘れず闘ったことは、今後シニアに向けてつながってくる闘いだったと思います」
 
 ■吉村祥子コーチ(エステティック東京)「8名のエントリーでしたけど、団体優勝できて本当にうれしかったです。100パーセント自分の力を出して勝った選手もいますし、持っている力以上を出して勝ってくれた選手もいて、チームとしてみんなで助け合って、いい流れで試合ができたことをうれしく思います。海外選手との経験が少ない選手がいたので、事前にそのようなシチュエーションの練習をしたんですけど、もしかしたらそれが生かされたかもしれないです。所属でよく練習しているように見受けられたので、日本全国で強化をしていると思いました。ジュニアで闘うには、もっともっと壁があるので、所属に帰って練習して、みんなでこういった遠征で強い日本を継続できるようにがんばっていきたい」

 ■46kg級優勝・加賀田葵夏(東京・GOLD KID'S)「外国の選手の体型を見て、自分より大きかったり、筋肉のすごい選手が多かったので少し緊張しました。タックルに入ってから返してくるところや、投げ技のような大技を狙ってくるところが日本人と違ってやりにくかったです。でも、自分の得意なパターンや技を使うことができたので点数を取ることができました」

 ■49kg級優勝・入江ななみ(福岡・小倉商高)「はじめての世界大会で、すごく緊張し、1試合目は体が動かなかったんです。でも、この試合で勝てた時にいけるぞと思いました。(姉のゆき選手が全日本学生ん選手権で世界選手権代表にフォール勝ちして優勝)やってくれると思っていました。三姉妹(末妹はくみ=ジュニアクイーンズカップ中学生の部で優勝)でリオデジャネイロ・オリンピックを目指し、優勝します。でも、3人で同じ階級を争うことはないです」

 ■65kg級二連覇・古市雅子(JOCアカデミー/東京・安部学院高)「去年の大会は緊張や不安もあり、思うようにいけませんでした。今年は昨年の経験も生かして落ちついて闘うことができましたでも、試合内容が自分で納得のいくものではなかったです。来年もう一度(カデットに)行けるので、自分のレスリングができるように練習して行きたい。守りも攻めもできるようになって、相手に差をつけて三連覇できるように頑張りたい」