2012.08.13

【ロンドン五輪最終日・特集】日本の重量級でも闘えることを示してくれました…磯川五夫さん

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

立ち上がって声援をおくる五夫さんとビデオ撮影のまゆみさん

 【ロンドン(英国)、文・撮影=樋口郁夫】旧ロシアのキルギス選手相手に激闘しながら、無念の黒星を喫し、闘った試合としては初戦敗退で五輪を終えた男子フリースタイル96kg級の磯川孝生(徳山大職)。うつむき加減でマットを降りたが、応援席からは「下を向くな! 胸を張れ!」との声がとんだ。

 その中の中央に陣取っていた父・五夫さんは「5歳からレスリングをやり、よくここまできたなあ、と思います。負けましたが、すばらしい試合だったと思います。ロシアの選手と五分近くに闘い、正直、びっくりしました」とねぎらい、「ここまで育ててくれましたレスリング協会のスタッフの皆様に感謝したいと思います」と頭を下げた。

 フリースタイルの重量級選手としては、久しぶりの五輪出場だった。それだけでも価値ある五輪出場。「日本の重量級でも立派に闘えることを示してくれ、将来メダルを取る選手も出てくれると思います。それだけでも、レスリングをやらせたかいがありました」と話した。

 今後はは指導者としての道を歩むという。「自分をしのぐ選手を育て、レスリング界に恩返ししてほしいです」と話した。

 母・まゆみさんは「よく頑張ったと思います。ここまで来ることができ、感謝しています。誇りに思える子供です」と、わが子をたたえた。