2012.08.11

【ロンドン五輪第6日・特集】「国際舞台の経験不足かな?」…網野高・吉岡治監督

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

高谷の試合を観戦する吉岡監督

 【ロンドン五輪(英国)、文・撮影=樋口郁夫】3月の五輪アジア予選(カザフスタン)で出場権を獲得した男子フリースタイル74kg級の高谷惣亮(ALSOK)は、世界3位の選手相手に善戦むなしく初戦敗退。試合が終わると、スタンドで応援していた京都・網野高時代の恩師の吉岡治監督のもとへ報告に来た。

 吉岡監督は「(主要な)国際大会に全然出ていなく、経験不足でしたね」と振り返った。高谷自身も口にしていたそうで、やはり世界選手権出場の経験を積むことが、4年に1度の晴れ舞台で勝ち抜くために必要なことだと、師弟ともに感じたようだ。

 初戦(2回戦)が世界3位で、勝てば2009・10年世界王者のチャーグッシュ(ロシア)が相手という厳しい組み合わせ。しかし、入場してきた高谷に硬さはまったくなく、観客席の応援に手を振るなどリラックスモード。「それで結果が出ればよかったんですけどね」と吉岡監督。度胸のよさはしっかりと見せてくれたオリンピックだった。

 世界のトップランカーが相手だったからだろうか、「(高谷は)さばさばしていましたね」と言う。「もう少し攻められたかな? この結果を受け入れて、次につなげてほしい。この半年で5~6kgは増えてパワーアップしたけど、まだ世界の中では細い。鍛えてほしい。」と話した。

 最後に「オリンピックに来るのは初めて。連れてきてもらえて、よかった。次のオリンピックは勝つところをみせてもらいます」と締めくくった。