2012.08.10

福田富昭日本協会会長、高田裕司専務理事も金メダル3つを祝福

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 

 女子の全日程が終了し、日本女子は48kg級の小原日登美(自衛隊)、55kg級・吉田沙保里(ALSOK)、63kg級・伊調馨(ALSOK)が金メダルを獲得した。金3つは過去2大会を上回る最高の結果。これを受けて、福田富昭日本協会会長と高田裕司専務理事が9日、それぞれ囲み会見に応じた。コメントは以下の通り。
 
■福田富昭日本協会会長「3人とも素晴らしい」
 
 吉田はこの重圧の中で期待によく応えてくれたし、これまでは攻撃的なレスラーだったけども、手堅く手堅く戦略を完全に考えていた。失点ゼロで場外も出ていない。勝ちだけをとりにいく、戦略を考えるレスラーは少ない。
 
 伊調は守りのレスリングだったけど守りと攻めバランスよくできるように進歩してる。素晴らしいレスラー。日登美は妹の悔しさとか五輪の金メダルというのを姉妹で果たしたいという意欲が強かったと思う。あれだけ減量して、試合の日には5キロくらい重くなっている。レスリングやめて一度コーチになって復帰、なかなかできないこと。3人とも素晴らしい。褒めるべき存在の3人だ。
 
 しかも日本は金があるが2つだったので、そこで3つ。男子の復活を目指してほしい。(リオに向けて)何も決まっていない。。2020年の東京が決まったらリオを捨てて東京五輪を目指して若手の育成をする。それくらい五輪で勝つのは大変。先のプランでいきたい。育てるのに10年はかかるから。
 
 女子レスリングは、全くのゼロから25年かかってやってきた。自分でもここまで来るとは思わなかった。育ってくれて嬉しい。感無量ですね。パワーや感動、スポーツは力になる。リオまでは今の選手と若手両方になるが、東京五輪が決まれば若手で。4連覇がかかればあれですけど。リオの成績より東京の成績を第一目標にするでしょう。長期プランでやっていかないと。
 
 女子の7階級採用については、あきらめずにやっている。FILAはひきつづき交渉している。なかなか難しいがどこかで7階級にしなければ。東京五輪ではどうしてもやりたい。
 
 世界選手権は、吉田がどうなるか。帰ってから考えるでしょうけど。五輪選手が出ると言えば出すが、なるべく若手でと思っている。吉田の記録だけは、本人が記録更新したいと言えば無条件でサポートしたいです。
 
■高田裕司専務理事「吉田は旗手もやって結果を出した」
 
 吉田は、初戦を見て調子が良かったんでこれはいけるなと。栄和人強化委員長の方が、(プレッシャーがあって)かわいそうなくらいだった。ずっと他の競技が銀止まりだった。女子初日の坂本日登美(自衛隊)も流れが悪かったじゃないですか。また銀メダルかとよぎったけど挽回した。あそこで流れが変わった。伊調と金メダル取って、吉田も負ける訳にいかないじゃないですか。
 
 旗手もやって結果を出した。本当によかったです。伊調と吉田が4連覇するかもしれないしね。若い選手が出てくるかも。それも我々の願いです。今回の代表は、一人一人レスリングが違う、それぞれ個性がある。普通は似るもんですけど。どれがいいとかではなくて、これだけそろうのは珍しい事ですよ。
 
 男子も流れに乗ってくれるといい。男子だって金メダル取るチャンスが3つある。女子よりは厳しいが。我々は男子の金メダルも望んでいる。女子は予定どおり。それだけのことをやってきているから。
 
 皆さん見てわかると思いますけど、公開練習以外にもあの厳しい練習をずっとやってきた。それで金メダルを取るのは当たり前。でももう次の心配してるんです。次の子達がロシアの55とか72とかああいう体のいい選手に次の選手が勝たなければならない。心配ですよね。リオ五輪でね、吉田と伊調を破るような選手が出てこなければいけないしね。2020東京に決まった時に若い選手育てなければいけないと考えています。