2012.08.09

【ロンドン五輪第4日】伊調馨(ALSOK)が女子史上初の五輪3連覇! 小原日登美(自衛隊)も金

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 【ロンドン(英国)=増渕由気子】ロンドン五輪レスリング競技第4日は8月8日、ロンドン市内のエクセルで女子が開幕。48kg級と63kg級の2階級が行われ、48kg級の小原日登美(自衛隊)と63kg級の伊調馨(ALSOK)が金メダルを獲得した。伊調は日本のあらゆる競技の中で史上初となる五輪3連覇を達成した。

 伊調は初戦の2回戦で67kg級世界V3のマルティン・デグレニエ(カナダ)を2-0のストレートで下し、3回戦のスウェーデン戦も完勝。準決勝は2010年59kg級女王のバチェチェグ・ソロンゾンボルド(モンゴル)を破り、決勝でも景瑞雪(中国)を2-0のストレートで下した。世界選手権7度の優勝を合わせると10度目の世界一となる。

 小原は初戦(2回戦)でチュニジアの選手をフォールで下し、3回戦もセネガルの選手をストレートで破った。準決勝は、北京五輪女王のキャロル・ヒュン(カナダ)と対戦。緊迫した試合展開となったが2-0で競り勝ち、決勝は昨年の世界選手権決勝と同じ相手、2009年世界女王のマリア・スタドニク(アゼルバイジャン)と対戦。第1ピリオドを落としたものの、第2、3ピリオドを取り、金メダルを引き寄せた。

 日本の48kg級は、2004年アテネ五輪、2008年北京五輪ともに伊調千春が出場し銀メダルだったが、3度目の挑戦で金メダルを獲得した。

 各試合結果は下記の通り。
 

 ◎女子

 【48kg級】小原日登美(自衛隊)      優勝=19選手出場

決勝  ○[2-1(0-4,1-0,2-0)]Mariya Stadnyk(アゼルバイジャン)

 《試合経過》第1ピリオド開始18秒でスタドニクがタックルで先制。残り約30秒で再びスタドニクが両足タックル+アンクルホールドで3点を追加し0-4とした。第2ピリオド、小原は低い構えでスタドニクの攻撃をけん制。中盤にがぶって相手を落とし、バックに回って1点をもぎ取って1-0。第3ピリオドは、序盤にタックルで1点。スタドニクが怒涛の攻撃を仕掛けてるが、その隙を見計らい残り15秒にダメ押しの2点目を追加した。
 
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準決勝  ○[2-0(2-0,2-1)]Carol Huynh (カナダ)

  《試合経過》第1ピリオド開始27秒に右片足タックルから攻めて場外ポイントをゲット。中盤にはヒュンの反撃をつぶしてバックポイントを追加して2-0。第2ピリオドも右片足タックルで1点。中盤にバックポイントを追加し、残り20秒でタックルを受けて失点するも2-1で北京五輪女王を振り切った。
 
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3回戦  ○[2-0(2-0,5-0)]Isabelle Sambou (セネガル)

 
 《試合経過》第1ピリオド54秒に右片足タックルで1点、ローリングは1点と判定され2-0で折り返し。第2ピリオドは中盤に、テークダウンを奪うとアンクルホールド3連続で5点と大量得点をゲットして終了。
 
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2回戦  ○[フォール1P(5-0=0:48)]Maroi Mezien (チュニジア)

 
 《試合経過》開始早々タックルに入ってテークダウン。そのままニアフォールで3点を奪い、わずか48秒でフォールした。
 
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1回戦 BYE

 

 【63kg級】伊調馨(ALSOK)       優勝=20選手出場

決勝  ○[2-0(3-0,2-0)]景瑞雪(中国)
 
 《試合経過》第1ピリオド30秒に鮮やかな両足タックルを決めて3-0とした。第2ピリオドは、47秒に相手のタックルを切ってバックに回って1点。アンクルホールドに移行するが無得点。後半にも左タックルから崩してテークダウンを奪って2-0とした。
 
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準決勝  ○[2-0(4-0,2-1)]Battsetseg Soronzonbold (モンゴル)

 
 《試合経過》開始早々、伊調は両足タックルを仕掛けるなど積極的。その後もタックル、投げなどを繰り出すが相手も反応がよく阻まれてしまう。ラスト10秒に再び右足タックルから場外ポイントを奪い1-0で折り返し。第2ピリオドは、フェイントを入れた右タックルで1点。またさきで相手の体力を奪い、中盤には相手のタックルをつぶしてバックポイント。1分25秒には相手がタックル返しにきたところを乗って2点を追加した。
 
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3回戦  ○[2-0(1-0,4-1)]Henna Johansson (スウェーデン)

 
 《試合経過》序盤は互いに様子を見る。ラスト30秒あたりで伊調がアンクルピックで相手を崩して1点を奪った。第2ピリオドは、中盤にテークダウンを奪うと、ローリングで2点を追加。終盤の相手の攻撃も見切り、タックルをつぶしてバックに回り、4-0とした。
 
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2回戦  ○[2-0(4-0,2-1)]Martine Dugreier (カナダ)

 
 《試合経過》第1ピリオド開始30秒で、左の片足タックルに入って1点。ローリングで2点を追加する。1分すぎには相手をふってバックにまわって4-0で折り返し。第2ピリオドは、37秒に片足タックルから崩されてバックポイントを奪われる。だが、ラスト30秒から伊調の猛攻撃が始まり、遂にラスト2秒でテークダウンを奪って追いつき、ラストポイントで制した。カナダ陣営はタイムアップだとチャレンジするが失敗。2-1で伊調が勝った。
 
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1回戦 BYE