ロンドン五輪・展望（４）…男子グレコローマン96kg級

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

（８月７日実施）

　本命なき階級と言っていい。世界チャンピオンは2008年北京五輪８位のエリス・グリ（ブルガリア）だが、抜群の強さとは言いがたい。世界選手権２位のジミー・リドバーグ（スウェーデン）の方が2009年世界２位、2010年世界３位と安定しているが、今年の欧州選手権は上位入賞を逃している。

　世界選手権３位のルスタム・トトロフ（ロシア）とセンク・イルデム（トルコ）らが五輪では優勝争いに加われるか。

　昨年12月のプレ五輪で勝ち、五輪のアジア予選を優勝で勝ち抜いたガセム・レザエイ（イラン）、今年の欧州選手権と五輪欧州予選の双方で優勝したアルトゥール・アレクサニャン（アルメニア）が実力を出し切れば、優勝争いに加わる力はあるだろう。

　６月のピトラシンスキ国際大会（ポーランド）で世界３位のトトロフ（ロシア＝前述）を破って優勝した斎川哲克（両毛ヤクルト販売）も、当然メダル争いに加わる実力がある。

五輪アジア予選でプレ五輪王者のレザエイ（イラン）に挑んだ斎川

昨年の世界選手権決勝で豪快な俵返しを仕掛けるエリス・グリ（ブルガリア）

《男子グレコローマン96kg級・エントリー選手》