※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
ロンドン五輪レスリング競技の開始のちょうど1ヶ月前となる7月5日、男子両スタイルの五輪代表チームが東京・味の素トレーニングセンターで合宿をスタートした。(右写真)
佐藤満強化委員長(専大教)は「どの階級もメダルの可能性はある。あと1ヶ月の練習で、その可能性を上げてほしい」と代表選手を激励。「心の中にマイナスな思考を入れないように。そのうえで、内に秘めた闘志を燃やし、これだけやってきたという自信とともに、わくわく感を持ってオリンピックへ望んでほしい」と注文した。
今回の合宿は3泊4日で、このあとは16日から日本出発まで同所で合宿。しかし、ところどころに休養日や自主練習が入っており、練習の強弱をつけて疲れを残さない最後の1ヶ月を心がけるという。「練習量は徐々に減らしていくけれど、その分、質を上げていきたい」と、コンディションづくりに重点を置く。
五輪に出場する外国選手は、米国やカナダのようにホームページで明らかにする国もあれば、情報が全く伝わってこない国もある。現段階でまだ決まっていない国もあるが、今後の半月ほどでおおまかに判明することが予想される。
ここ数年間、JISS(国立スポーツ科学センター)のマルチサポート・チームが数多くの選手のビデオを撮影しており、だれが出てきても情報を取得できる体制ができている。佐藤強化李院長はそのサポートに感謝しつつ、「だれが出てきても、自分のレスリングをすることが大事。先手、先手で攻めて自分のレスリングに持っていってこそ、相手の研究が生きてくる」と、まず自分のスタイルの確立を望んだ。
チームは8月1日にグレコローマン・チームが、同3日にフリースタイル・チームが出発予定で、ともに開会式には不参加。佐藤強化委員長は「自分も(2度の五輪出場とも)開会式には出ていない。笑顔で閉会式に出よう、という気持ちだった」と話し、8月12日の閉会式での選手の笑顔を期待した。
![]() ロンドン五輪での試合シングレットで練習するグレコローマン55kg級の長谷川恒平 |
![]() 五輪の夢破れた新庄寛和(右)だが、斎川哲克の練習相手をかって出て合宿に参加。同僚の活躍のサポートへ |