2012.06.22

男子両スタイルの五輪代表チームが長野・菅平で合宿

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

選手を激励する富山英明・常務理事

 男子両スタイルのロンドン五輪代表チームが6月20日から長野・菅平で合宿をスタート。21日には報道陣に練習を公開した。

 毎夏恒例となった菅平合宿で、佐藤満強化委員長(専大教)は「環境を変えることでマンネリを防ぐことと、高地(標高約1300メートル)での練習で体力を上げること」という目的を説明。7月上旬に予定していた韓国合宿が日程が合わずにできなくなったことで、「東京以外では最後の合宿。しっかりと仕上げたい」と話した。

 五輪代表選手については、フリースタイルはワールドカップに出場して実戦経験を積み、グレコローマンはロシアへ遠征してロシア・トップ選手と練習を積んだことで、ともに心身ともにいい状況をつくり出せているという。

 「9人の代表、全員にメダルを取らせたい。その可能性はあるし、期待したい。その中で軽量級は金メダルが期待できる。世界チャンピオンを破るような実績を持つ選手ばかりで、その可能性は十分にある」と話し、「短い期間でも実力は上がる」とし、残る1ヶ月半の追い込みに期待した。

 合宿には前強化委員長の富山英明・日本協会常務理事(日大教)が姿を見せ、選手を激励。5月の女子ワールドカップ(東京)で黒星を喫した吉田沙保里選手が、検査の結果、貧血状態だったことを説明し、「そうした状況では、気合は入らない。気持ちだけでは勝てない」と、栄養を十分に摂って体調を万全にすることを注文した。

 ロシア・ソチで同国トップ選手と練習を積み、17日に帰国した男子グレコローマン55kg級の長谷川恒平(福一漁業)と同60kg級の松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)は、練習での収穫を試す合宿へ。

 長谷川が「ロシア選手のしつこさを感じた。その感覚を忘れないようにし、自分の持っているものを磨いていきたい」と、松本は「上の階級も下の階級も世界王者級の選手がずらりいた中での練習。グラウンドの技術では相手の方が上だが、得意のスタンドを生かせば互角以上に闘える」とそれぞれ話し、明確な課題をもって残る約50日間にかける。

 合宿は24日まで。ポーランド遠征中のグレコローマン84kg級の斎川哲克(両毛ヤクルト販売)は参加していない。

米満達弘(右)と高谷惣亮の五輪代表同士のスパーリング

湯元兄弟のスパーリングを見つめる佐藤満強化委員長

松本隆太郎(右)と藤村義の練習を見つめる元木康年コーチ

グラウンドの防御練習をする長谷川恒平

がぶりの練習をする磯川孝生

米満達弘にアドバイスを送る富山英明・常務理事