※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
鶴巻は2度の五輪挑戦に失敗し、金久保武大に希望を託す
過去の実績からすれば、グレコローマンの残り3階級の中で最も期待度が高かったが、2回戦で新顔のエミン・アフマドフ(アゼルバイジャン=今大会優勝)と対戦し黒星。敗者復活戦では北京五輪5位のピーター・バッシ(ハンガリー)に敗れ、五輪出場枠への最後の挑戦も不発に終わってしまった。
「レスリングは今年で13年になります。これまでいろんな経験をさせていただき、レスリング協会にはお世話になったのですが、こんな程度にしか強くなれなかったのかと、自分にがっかりしています。指導してくださった方、サポートしてくださった方、応援してくださった方にあわせる顔がありません」
4年前の北京五輪の予選にも2大会に参加し、出場枠を取れなかった経験がある。「結果をみると、4年間成長していなかったという事です」と厳しい自己批判をした。「自分には色々な課題がありすぎて、何に重点を置くかが分かっていないところもあったかもしれません。負けたということは、スタンドもグラウンドも何も通用しなかったと言う事です」
ここ数年、鶴巻が闘っていたのは国内外の敵だけではない。腰と首のけがに泣かされてきた。「この4年間、けがが多く、そういうコンディションでは五輪に出る資格がないのかなとも思います」。長い間、追い込んだ練習ができなかったのは事実だ。
フィンランドでの最終予選には金久保武大(ALSOK)の派遣が決定している。金久保が出場枠をとった場合、国内でのプレーオフとなるが、鶴巻は「現段階では何も考えられないです。金久保が枠を取ってきたら、ですね」と話した。
金久保次第となってしまったが、まだ五輪への道は断たれていない。もう一度、あるかもしれない五輪へのチャンス。そのチャンスにかけることになる。