※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
初戦に勝った松本。勢いを元世界王者との試合につなげられず
しかし勝利につなげられず、「アジア予選(カザフスタン)でもそうでしたが、五輪予選は結果がすべてです。勝たなければ意味がない。結果にこだわりたかった」とうつむいたまま。相手がばてていたのは分かっていた。第2ピリオド、2-1で迎えた1分40秒頃、少し守りに入った事が悔やまれる。勝てた試合だった。
兄・松本隆太郎(群馬ヤクルト販売)の名前を口にすると涙が浮かんだ。「自力で兄と一緒に五輪に行くためのチャンスは今回だけだった。一緒に行きたかったです。取れなかった…」
最終予選(フィンランド)へは全日本選手権2位の門間が派遣されることが決まっている。松本にとって、今大会は自力で五輪の切符を勝ち取る最後のチャンスだった。「自分が決めるべきところで決められなかった弱さ。他人任せにしたくはないけれど、門間選手が枠を取ってきたら、一発勝負なので、そこにすべてをかけなければと思う。でも今は、自分で取れなかったのが悔しいです」
まだチャンスはゼロではない。自力での五輪出場は消えたが、門間がフィンランドで出場枠を獲得した時は国内で最終プレーオフが待っているため、まだ気は抜けない。険しい五輪への道はまだ続いている。