※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
日本チームの前であいさつするカザフスタン・チーム
ブラト・ヌルムカムベトフ監督は「昨年の世界選手権で日本は3階級で優勝し、女子レスリングの世界のリーダーです。どんな練習をしているのか、ぜひ見たいと思いました」と遠征の目的を話し、この日からの全日本合宿が楽しみな様子。
カザフスタンの女子は、1993年にジュニアとシニアの世界女子選手権に出場し、ソ連から独立した直後に取り組んでいたが、実力的には世界トップには程遠かった。2003年のアジア選手権72kg級でスベトラーナ・シェビチナゾフが世界と大陸の選手権で初めてチャンピオンに輝いたが、2004年のアテネ五輪出場はなし。
2006年世界ジュニア選手権63kg級でイェレナ・シャリギナが2位となって、ようやく世界のトップが見え、2007年の世界選手権ではロシアから国籍を変えた選手も含めて「銀1・銅2」を獲得。2008年北京五輪でもシャリギナが銅メダルを取り、世界トップの一角を占めるようになった。
ブラト・ヌルムカムベトフ監督と娘であり心理理学者のメディナさん
ただ、男子も強い国だけに、男子との練習で実力を上げているという面もあるという。自分のいる地域で同レベルの実力を持った女子選手がおらず、スパーリングはほとんど男子選手とやる選手もいるそうで、多くの女子選手と練習できる今回の遠征は貴重な経験になりそうだ。
カザフスタンは5月26~27日に東京で行われる女子ワールドカップには参加できないが、その直前にはシニア・チームが来日し、日本の胸を借りてロンドン五輪での勝利を目指すという。ヌルムカムベトフ監督は「ジルジ・イゴシナ(48kg級)、イェレナ・シャリギナ(63kg級)、グゼル・マニュロバ(72kg級)の中から金メダルを取ることを期待しています」と話し、同国女子レスリングの発展を誓った。
![]() 日本選手と闘うカザフスタン選手 |
![]() 練習後は箒(ほうき)を持ってマット清掃。講師は浜口選手(左端) |