2012.04.14

全日本女子チームが合宿スタート

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 ロンドン五輪の代表4人を含めた全日本女子チームが4月13日、東京・味の素トレーニングセンターで今年度初の合宿をスタートした(右写真)。

 栄和人・女子強化委員長(至学館大教)は身内に不幸があったために不在。代わって指揮を執った木名瀬重夫・日本協会専任コーチは、選手に「今年初めてということではないが、今年度初めての合宿であり、気持ちを新たに取り組んでほしい」と要望した。

 さらに、今月初めの五輪アジア予選で72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)が五輪出場枠を獲得し、五輪代表に正式に決まったことを報告し、「4階級すべてでオリンピックに行けることになった。4人の日本代表選手にとって最高の練習パートナーとなるよう協力してほしい。同時に自分自身の強化にも力を入れ、実力アップをはかってほしい」と続けた。

 練習では、アジア予選で浜口が王嬌(中国)のローリングに何度かかかってしまったことをふまえ、まずグラウンドの防御練習に力をいれた。2分3ピリオドのルールになってから、ともするとグラウンドの比重が下がっている面があり、「全体の問題として、全員で強化に取り組んだ」(齊藤将士コーチ=警視庁)という。

 この合宿にはカザフスタンのカデット3選手、ジュニア4選手も参加した。日本選手は引っ込み思案なせいか、あるいは国内のライバルと練習したい気持ちなのか、コーチ陣が期待したほど向かっていかなかった。

カザフスタンのジュニア72kg級の選手と闘う浜口

 木名瀬コーチは最後の集合時に「今回来ている選手がカデットやジュニアの世界選手権に出てきて、いずれ試合で当たることもある。もっと積極的に挑むように」と話し、この機会を逃すことなく“国際経験”を積むことをリクエストした。

 浜口は五輪代表に決まったばかりで、激戦の疲れが取れやらぬ状態での参加となったが、逆に「予選での試合感覚がまだ残っていて、スパーリングはいつも以上に試合感覚でできます」と、勝負直後の合宿を歓迎。

 合宿に参加しているカザフスタン・チームには、ジュニアとはいえ72kg級の選手もいて、「外国選手特有のパワーがあり、独特のレスリングをしてくるので、勉強になります」と、学ぶことがあることを強調した。

 5月下旬にはカザフスタンのベストメンバーが来日して修業する予定で、ライバルのグゼル・マニュロバも来る。「ワールドカップもあり、オリンピックまで充実した日をおくれそうです」と気合を入れた。

 合宿は20日まで行われる。

練習の初めには福田富昭会長も姿を見せ選手を激励

齋藤将士コーチの技術指導

JOCエリートアカデミーの2人の新人選手も参加

練習の最後は全員での補強トレーニング