※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
先に五輪出場を決め、高谷にエール。やっと笑顔が出た
正直言って、初戦の30秒くらいの時に股関節に痛みが走り、これはおかしいと思いながら、ごまかして闘ってきました。今まで、けがをすることはあっても試合中に痛みを感じたことはなかった。今回は痛んだので、『やばい!』と思いながら闘っていました。
試合前は『大丈夫』と言っていましたが、不安は大きかったです。運というか、流れがあって勝てたようなものです。初戦で2度ともクリンチの攻撃権が自分のところに来たのは運でしょうね。けがを承知で出場させてくれたコーチの方々や、けがの治療に全力を尽くしてくれた自衛隊のトレーナーの方々など、支えてくれた人達に感謝しています。
強豪のマンスロフが60kg級に出てくれたのは、正直言って追い風を感じました。でも言葉で出してはいけないので、表には出しませんでした。闘ってみたい、とう気持ちはあります。
兄(60kg級で五輪代表に王手をかけている健一)に「先に決めたよ」と電話しました。(4月7日に兄が出る)プレーオフに向けて、はっぱかけいきます」
五輪出場を決め、マットに大の字の高谷
準決勝は第1ピリオドを取られたけど、タックルを取られたわけではないので、心配していなかった。ただ、海外ではおかしな判定があるから、それが怖かった。第1ピリオドのがぶり返しはチョークになっていて、落ちると(失神する)思いました。
4年前は(実力がなくて)取れなかったことが、身にしみて分かった。あの時は高校生のがつがつしたレスリングでした。それを生かしながら、拓大で4年間、やってきたことがこの日につながったのだと思います。
まだ拓大の学生です(4月1日からALSOKへ入社)。学生のうちに五輪出場を決められて、学生にいい刺激を与えられたと思います。フリースタイル(の五輪を決めた4階級のうち)3階級が拓大の選手です。西口(茂樹)部長様様です。西口部長は本当に尊敬しています。
これがスタートライン。まだやるべきことはたくさんあります。(オリンピックの目標を聞かれ)言わなくても分かるでしょ。金メダルを目指してレスリングをやってきました。負けるためにやっている選手はいない。オリンピックの金メダルで喜びを爆発させたい」
男子フリースタイル84kg級・松本篤史(ALSOK)「準決勝のソキエフ(ウズベキスタン)が勝負でした。今まで初戦で体が動かず消えてしまうことが多かったのですが、今回はよく動いたので、いい状態で臨めました。世界選手権などのビデオを見て、差しで攻めるという対策を立てていました。
0-0で終わったのは、作戦通りかな、と。クリンチがこちらに来てくれれば最高でしたが、いい内容だったと思います。世界チャンピオンだったソキエフとここまでの試合…タックルに入られて失点がなかったことなどが自信になります。
3試合を通じ、最初の世界選手権の時のようにあがることもなく、その点ではよかったのですが、やはり勝ちたかった…。先に決めて兄(31日に出場するグレコローマン60kg級の隆太郎)につなげたかった。兄には確実に決めてほしい。兄の流れを受け継いで中国で頑張りたい」
男子フリースタイル96kg級・磯川孝生(徳山大職)「厳しいブロックだったことは確かだけど、自分のやるべきことを出すだけでした。こうした結果になったけど、収穫が多い大会でした。次に頑張れる内容はありました。
去年のイスタンブール(世界選手権)で情けない試合をして、自信が持てなくなったのですが、今回、旧ソ連の2選手とここまでできたことで、今のスタイルでやっていこうという自信もできました。
初戦のクルバノフ(ウズベキスタン)とは3回目の試合ですが、ここまでやてれたことはなかった。
スタミナは外国選手より自分の方がありますが、ばてながらも、ここぞという時に力を振り絞ってくる。2試合とも、その力を防げなかったことが反省材料。そこを直していきたい。中国では万全な状態で臨みたい」