※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文=池田安佑美、撮影=飯島隆)
決勝で闘う園田
ハイライトは準決勝の山本晋(埼玉・埼玉栄)。山本もJOC杯のカデット・フリースタイル100㎏級優勝と実力があるが、園田は第1ピリオド、テークダウンを奪うと、そこからローリングを3度決めて、わずか57秒で7-0とテクニカルフォール。
第2ピリオドは3-1と失点を許したが、内容は完勝だった。決勝戦は8-0、7-0と計15点も奪い圧巻の優勝を遂げた。
昨年の全国高校選抜大会は震災で中止になり、この大会とインターハイ、国体を制す三冠王者は誕生しなかった。三冠にJOC杯と全国高校グレコローマン選手権を合わせると五冠王者となる。園田は昨年、全国高校選抜大会以外の4大会をすべて優勝しており、2年分の思いを今大会に爆発させたのが、この圧勝に繋がったようだ。園田は「今年こそ手堅く優勝して五冠を取りたい!」と力強く語った。
■6月に日本一へ再挑戦も
もはやスーパー高校生のレベルに達している園田。すでに昨年の全日本選手権にも出場し、1回戦を勝ち抜いてベスト8に残ったことで、6月の明治杯全日本選抜選手権への出場権利を持っている。
昨年の全日本選抜選手権で19歳で優勝した前川勝利(早大)に続いて、園田も優勝を目指したいところだが、北岡秀王コーチは「近畿大会と日程がかぶっているんです」と説明する。「日野高校としては近畿大会で団体優勝を目指したい。けれど、全日本選抜にも出てほしい…」と複雑な心境を吐露した。
園田と北岡コーチ
前川が出場枠を獲得した場合、6月の全日本選抜選手権で日本代表の最終プレーオフが行われる可能性も出てくる。園田は、高校最後のシーズンを「日野高所属」として全うする気持ちはあるが、五輪出場件がかかった全日本選抜選手権の場合は、「必ず出ます」と言い放った。
スーパー高校生の園田だが、2歳上の前川勝利にはまだまだ水をあけられている。園田は「場外際の攻防で妥協してしまうことがある。これを直していかないと」と自分を客観視する。高校ラストシーズン、試合を最後の1秒まで全力で戦えば、おのずと高校王者どころか全日本のトップも見えてくるかもしれない。