2012.03.19

全日本女子チームが合宿スタート

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 ロンドン五輪のアジア予選(3月30日~4月1日、カザフスタン)とロンドン五輪ほかの国際大会を控える全日本女子チームが3月18日、東京・味の素トレーニングセンターで合宿をスタート(右写真)。五輪代表選手・候補選手のみならず、通い参加の若手選手を含めて総勢約50選手が汗を流した。

 アジア予選まで2週間を切り、出場する72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)にとっては最後の調整合宿となるが、栄和人強化委員長(至学館大教)は「浜口に合わせた練習にするつもりはない。あくまでも全体の底上げを目的に合宿をする」ときっぱり。

 この日は、2月のアジア選手権(韓国)での反省をもとに、タックルの最後の詰めなどを中心に2時間半、汗を流した。昨年同様、山梨学院大から現役の学生選手6人が参加してくれ、五輪代表を決めた選手のみならず、若手選手にも「積極的に挑むように」と指示し、男子選手の技術を学ぶことをリクエストした。

 浜口に関しては「自分で考え、コーチのアドバイスを聞きながら、最高のコンディションをつくってほしい」と話し、調整は全面的に本人に任せるという。

 浜口は「体調もよく、順調に来ています」と冬の間の練習を振り返り、「思っていた以上に多くの人から応援されています。浅草の街を歩いていても声をかけられます。プレッシャーとは感じません。心強く思い、勇気がわいてきます」と、多くの人からもらったエネルギーで気合は十分。

齋藤将士コーチの指導のもとで練習する浜口

 五輪予選のエントリー選手も決まり、これまでにもやってきたビデオ研究をさらに重ね、対策を十分に練るという。「優勝を考えています」と、五輪出場枠獲得ではなく、あくまでの優勝を目標にカザフスタン決戦に挑む腹積もりだ。

 予選では、北京五輪チャンピオンの王嬌(中国)とともに、67kg級から上がってきたオドチメグ・バドラク(モンゴル)が要注意として浮上してきた。2月のアジア選手権で新海真美(アイシン・エィ・ダブリュ)が0-2(0-2,0-1)で敗れた相手で、試合を見た藤川健治コーチ(自衛隊)は「パワーはないがバランスのいい選手。67kg級での持ち味をそのまま72kg級に持ってきている」と分析する。

 身長があって、懐の広い選手なので、単純なタックルにいっては引きずりこまれてしまう可能性が高いので、「プレッシャーをかけて焦らせ、がぶったり、引き落としたりしてバックに回る作戦がいい」と話す。

 この合宿中にも十分に対策を練る予定で、「中国とモンゴルの2人に勝っての優勝を期待したい。くじ運がよくての出場枠獲得では、次につながらない。2人を破ることが、オリンピックで金メダルを取ることにつながる」と話し、優勝を期待した。

 合宿は23日まで行われる。浜口は木名瀬重夫監督(日本協会専任コーチ)らとともに26日にカザフスタンへ向けて出発する。

山梨学院大の男子6選手が練習相手として参加

若手成長株の入江と練習する坂本日登美

伊調馨を指導する齋藤コーチ