2012.03.07

【五輪アジア予選・展望(6)】男子グレコローマン55kg級

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(3月31日実施、上位2選手が五輪出場枠を獲得。日本代表:長谷川恒平=福一漁業)


 昨年の世界選手権では、ともに伏兵的な存在だった中国と北朝鮮が出場枠を獲得。2010年世界1位のイラン、同2位の韓国、同年アジア大会1位の日本、2位のキルギスが残る結果となった。

 やはりイラン、韓国が要注意国。カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスの旧ソ連が上位へ入ってくるか。

最近の主要国際大会のアジア選手の成績


2010年世界王者のスーリヤン(右)と2位のチョイ・ギュジン

 【イラン】
 2005~07・09・10年世界王者のハミド・スーリヤン(Hamid Soryan)が出場してくる。昨年の世界選手権不出場は、国内で負けたのではなく同国協会と衝突したためという情報で、実力が落ちたためではないようだ。同年12月のプレ五輪では60kg級に出場して5位。55kg級で実力をキープしているか。

 【韓国】
 2010年アジア選手権優勝&世界選手権2位のチョイ・ギュジン(Choi Gyu-Jin)の出場か。昨年の世界選手権は4回戦でロシアに敗れて7位。3回戦では前年世界2位のアルメニア選手を破っており、実力は十分。12月のプレ五輪でも優勝しており、手ごわい相手となりそう。

 【カザフスタン】
 昨年の世界選手権代表で、ワールドカップ(W杯)個人優勝のアスハト・クダイベルゲノフ(Askhat Kudaibergenov)の出場が決まっている(同国ホームページ)。W杯王者とはいえ、今年に入ってからのトルコとイランの国際大会でメダルには手が届かず、ずば抜けた強豪ではない。

 【キルギス】
 2010年アジア大会決勝で長谷川恒平に敗れたカニベク・ゾルチュベコフ(Kanybek Zholchubekov)が、今年2月のアジア選手権で3位に入賞している。2011年アジア選手権優勝で世界選手権代表のアルセン・エラリエフ(Arsen Eraliev)の、どちらかが出てくるか。

 ↓

(3月17日にエントリーが判明し、アルセン・エラリエフが出場へ)

 【ウズベキスタン】
 2008年北京五輪代表のイルダー・ハフィゾフ(Ildar Hafizov)が出てくるか。2010年アジア大会は上位入賞を逃しているが、2011年アジア選手権で2位の実力。世界選手権は韓国に初戦で敗れて上位を逃したもの。あるいは、2月のアジア選手権2位の若いエルムラト・タスムラドフ(Elmurat Tasmuradov)の抜てきか?