※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
ロンドン五輪および五輪出場枠獲得を目指す全日本チームが2月22日、東京・味の素トレーニングセンターで合宿をスタート。欧州遠征や主に2番手が出場した前哨戦(アジア選手権)も終わり、3月30日~4月1日の五輪アジア予選(カザフスタン・アタナス)へ向けて、いよいよ戦闘モードに突入した
NTS中央研修会、学連合宿も同時に行われ、総勢130選手が6面マットで汗を流した。年に1度実施されている全日本トップ選手と将来を託す有望な若手選手の合同合宿で、佐藤満強化委員長(専大教)は「若手選手にも、世界を目指す意識を持ってもらうために実施している。全日本の選手は、有望な若手選手と闘うことで初心に戻ってほしい。また、教えることで技術の確認になる」と双方のメリットを話した。
すでに五輪代表を決めている男子フリースタイル66kg級の米満達弘(自衛隊)も「昔は上の選手を相手に挑む立場でしたが、今は挑まれる立場。1点でも取られたらならない、と緊張します」と話し、レベルが違うとはいえ、若い選手と練習することのプラスを感じている。
米満は、当初の予定では今月中旬の「ヤシャ・ドク国際大会」(トルコ)に出場して実戦練習を積む予定だった。年が明けてから原因不明の熱が出るなど体調を崩し、遠征を取りやめた。「マイナスから(今年を)スタートし、やっと0へ戻った感じ。これからプラスにもっていきたい」と、ばん回を期す。
6面マットで130選手が汗を流した
この日は、いつもにはない緊張感があった。NTS中央研修会のコーチとして山梨・韮崎工高時代の文田敏郎監督が来ていたこと。「初心に戻れる?」という問いに、「いえ、プレッシャーになります。怖かった時の思い出がよみがえってきますから…」と苦笑い。
そんな米満に対し、文田監督は「怖いわけないでしょ。優しい監督でしたよ」と否定し、「(米満は)無口で努力家でした。よくここまで伸びました」と目を細め、五輪での健闘を期待していた。
合宿は29日まで。NTS中央研修は26日まで。
![]() NTS担当チーフの霞ヶ浦高・大沢友博監督のあいさつ |
![]() 佐藤満強化委員長のフリースタイルの指導 |
![]() 伊藤広道強化副委員長のグレコローマン指導 |
![]() 北朝鮮のアジア予選不参加で追い風を受けている湯元進一 |
![]() 若手成長株の田中幸太郎と練習する米満達弘(上) |
![]() 高校時代の恩師、文田敏郎監督と米満 |
![]() インターハイ3連覇の高橋侑希(三重・いなべ総合学園高=山梨学院大神学)も元気に参加 |
![]() グレコローマンの逸材、文田健一郎(左=山梨・韮崎高高1年)を指導する松本慎吾コーチ |