※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
3月30日~4月1日にカザフスタン・アスタナで行われるロンドン五輪予選の第2ステージ、アジア予選に北朝鮮の不参加が決まった。
2009年世界王者のヤン・キョンイル
北朝鮮は、すでに男子グレコローマン55kg級と女子63kg級で五輪出場枠を獲得しているが、2009年世界チャンピオンのヤン・キョンイル(右写真)がいる男子フリースタイル55kg級は未獲得。アジア予選の強敵になると思われていた(他に、女子48kg級、男子フリースタイル60・66kg級にも強豪がいるが、日本は五輪出場枠獲得済み)。
北朝鮮は昨年12月に金正日総書記が死去した。1994年7月に金日成主席が死去した後、喪に服すという意味もあって、しばらくの間、国際大会への選手団派遣を中止した経緯があり、今回も動向が注目されていた。
北朝鮮の不参加が金正日総書記の死去と関係あるかどうかは不明。共同通信の報道によると、電話取材に応じた同国の張雄・国際オリンピック委員会(IOC)委員は、北朝鮮が既に7競技で五輪出場権を獲得していると指摘。哀悼の意を表すなどの理由で国際大会への出場を見合わせるとの観測は「誤った情報だ。(北朝鮮は)IOCともよく連絡を取っている。(総書記死去は)五輪とは別の話だ」と否定している。
いずれにせよ、五輪出場枠獲得を目指す日本の追い風となりそう。なお、アジア予選のあとの4、5月の2度の五輪予選には大陸選手権出場とは関連なく出場できるので、ここで五輪出場枠獲得を目指す可能性はある。