※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
男子フリースタイル66kg級・田中幸太郎(早大)「緊張はしていましたが、いつもどおりでした。スロースターターなのですが、1回戦はいい感じで勝てました。2回戦のカザフスタンは前日に組み合わせを見たあと、試合の動画を見ました。これという技は見受けられなかったので、大丈夫だ、と自信を持って行きましたが、、、。タックルは受けなかったけど、自分が入ったところで投げを受けたりした。闘い方を工夫すれば良い勝負ができたのではないかと思う。
三決は組んだ感じではいける、と思いましたが、相手の脚に届いてはいても、キャッチまではできなかった。タイミングもあっていたのですが、、、。第2ピリオドまでクリンチ勝負だったので、第3ピリオドはそれではダメだと思い、取りに行きました。でも取れなかった。ボールは審判が選んで、相手に出たと思い込んでいたら自分だと言われ、少し動揺があったと思います。また、おしりが付いたら1点というルールをしっかり認識していなかったのもよくありませんでした。しっかり認識していれば引きつけるというクリンチの方が良かったと思います。
とにかくキャッチできないと、今日の負けの繰り返しになる。レスリングでまるっきり負けている訳ではなく、自分のスタンスの問題なので、どんな相手、どんな状況でもキャッチできるよう感覚を磨かなければ。今年は全日本選抜選手権で優勝すること、早稲田大学の主将としてチーム一丸となってリーグ戦3連覇を成し遂げなければいけません。今日の反省点を克服します」
男子フリースタイル74kg級・小島豪臣(K-POWERS)「74kgに上げてから初めての国際大会でした。体は動いたので良かった。いつも練習で重い選手とやっているので問題なかったんだと思います。ただ、準決勝のグダルジ(イラン)戦は何もできませんでした。夏にイランで武者修行した時にスパーリングし、その時は飛ばされていましたが、今日の試合では相手の減量もあって体重が近く、そこまでの差はなかった。3決の相手も、試合を見ていて強そうだと思ったので、いつもどおりしっかりと構えと組み手を意識した。力は強かったけど、いつも強い相手と練習しているので落ち着いて試合ができた。ただなかなかポイントは取れなかったので、相手の体力を消耗させようと、攻めは多くなった。
優勝を目指していたので3位は残念だが、メダルを取れたことにはほっとしている。3位に入るか入らないかでは大きく違うと思う。今回残念だったのは、タックルからのポイントが少なかったこと。でも、74kg級でも通用するという手応えもあった。帰って、体力やスタミナをおとさず馬力をつけたい。自分は減量が少ない分、ばてにくいが、66kg級の時よりもばてる選手がおいと思った。五輪予選に向けて、からだをもう少し大きくした方が良いかなと思った。チャンスが来た時に万全でいられるよう、全体的にレベルアップしたい」
男子フリースタイル84kg級・門間順輝(秋田消防本部)「首が痛いです。2回戦で痛めました。1回戦、体が動くか心配もありましたが、いい感じで動けて良かった。インドとの2回戦は危なかったですね。上半身と下半身のバランスが悪かったです。足を触らせすぎでした。第3ピリオド、0-1で負けていて、最後の最後、終了間際にラストポポイントで勝ちましたが、自分でもよく取ったと思います。準決勝のイイラン戦は失点ばかりでした。自分の組み手に持ち込んでさあこれから、という時に上手く流され、強さと同時に巧さを感じました。負けてしまいましたが、なんにしてもあと1試合だ、がんばろう、と思いました。
3決はひやひやする試合でした。第1ピリオドと第3ピリオドで外無双が決まりましたが、得意技という訳ではなく高校生に教えているうちに自然と出るようになりました。秋田に帰ってから覚えた技です。指導しているうちに上手くなったと思います。世界学生選手権(2008)以来の国際大会でしたが、緊張はしませんでした。ただ、自分がどれくらいできるのかな、と思っていました。銅メダルを取って最低の合格ラインかな、と思います。特別うれしいということはありません。運もよかったと思います。自分の実力をある程度知ることができたのは収穫でした。アンクルホールドが決まったのも良かったです。失点が多かったのはよくありませんでした。今後は脚を触らせないような組み手や、自分からポイントを取りにいく練習をしたいです。レベルアップできるように頑張りたい。五輪予選に出るチャンスが回ってくればそのとき最大の力を出せるように準備しておきたい」
96kg級 磯川孝生(徳山大職)「1回戦の相手は去年のアジア選手権で見た選手で、ハイクラッチが強いことと、引き落とした所に攻めてくることも分かっていました。そのため、前に詰めて落とすというのができなかった。引き落とす時に自分に引き寄せないようにすれば取られる心配はないのですが、結局クリンチ勝負になりました。取りにいくことが大切だったと思います。2回戦は第3ピリオドでクリンチ勝負になり、フライングで負けましたが、考えがあってやりました。五輪アジア予選(カザフスタン)に向けて、審判とのタイミングも試してみたかった。今回フライングを取られてダメだとわかったので、予選の時には修正していきます。
負けたカザフスタン戦は悪くはなかったと思う。1点取られても、1点で抑えておけばよかった。それから、ローリングの防御の自信がついた。今回の大会は1番手で参加しているので、他の選手とは意味合いが違った。五輪予選の約一ヶ月前で、絶対にけがをしてはいけなかったし、今どのくらいできるのかの確認の意味があった。直前に国際大会に出ることができて良かった。五輪予選で今日の成果を発揮します」
男子フリースタイル120kg級・荒木田進謙(専大クラブ)「初戦のイランとの試合は何もできなかった。落とした所に全部合わせられました。そういう手足の長い相手に対して対策しなければと思いました。敗者復活戦では自分が外国人選手に勝てるいつものパターンに持っていけた。第2ピリオドを取って第3ピリオドの勝負になれば、スタミナ勝負では負けないので勝てる、というのを今回再確認しました。
それはジュニア時代はできていましたが、シニアになってからできていませんでした。3決は第2ピリオドでいい形でがとれたのに、ポイントにつなげられなかったのが敗因です。あそこでポイントになれば勝てていた。でも、タックルが切れないと話になりません。今回は五輪予選(カザフスタン)につながる良い経験をしました」