2012.02.19

【アジア選手権第3日】出場選手コメント

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 59kg級・島田佳代子(自衛隊)「前日の女子3人がいい成績だったので、ここでいい流れを断ち切ってはいけない、と思っていました。優勝した時はうれしかったと同時に、ホッとしました。今回の大会では自分がやりたかったことができたかなと思います。外国人構えが高く崩しが効く。タックルや崩しが効くと思っていたので、崩してアタックというレスリングをしようと思っていた。全日本は全日本の闘い方があって、アジア選手権とは別。アジア選手権に出ると決まってから、アジア選手権だけでなく、この先の国際大会のことも念頭に入れて外国人対策をしてきた。どうやって外国人に勝つか、自分の勝ち方を考えてやった。その闘い方を決勝までそれを貫けたことは、次の国際大会へのステップになったと思う。

 天皇杯から2ヶ月足らずで対策をしてここまでできたということは、このままやっていけば、全日本選抜選手権や世界選手権でもいいレスリングができることにつながると思います。公式の国際大会は初めてだったので緊張していましたが、コーチ陣が試合中、『それでいい、それでいい!』と言ってくださったので、安心して、自信をもって自分のレスリングができた事が大きかったと思います。今年の世界選手権に出て優勝したいです」


 63kg級・渡利璃穏(至学館大)「負けた2回戦の中国戦は、第1ピリオドをよく覚えていません。第2ピリオドは、タックル返しがくると分かっていたのに2回も返されてしまいました。どちらも両脚に言って取られました。1点ずつ確実に取りたかったので第3ピリオドは片足に行きました。片足ではポイントが取れたので、片足タックルの自信はつきました。敗戦後、メダルは絶対持ち帰りたいと思って気持ちを切り替えました。

 敗者復活戦では第1ピリオド、相手を見すぎてタックルに入りきれませんでした。第2ラウンドは崩しが効いているのがわかり、入れば取れると思って自信をもって攻められました。フォールで勝つことができ、いい流れで三決にいけました。三決で勝つことができましたが、3位はやはり悔しかったです。初めての公式の国際大会で、出場前は、手強い相手が多いのかな。と思っていましたが、やってみるとタックルが決まるということがわかったし、収穫がありました。中国戦では詰めが甘かったです。しっかりとっていれば優勝できたので、悔しいです。ワールドカップに出させてもらえたら絶対に勝ちたい。世界選手権も出場したいです」


 67kg級・土性沙羅(愛知・至学館高)「自分から攻めたけど、タックルに入ってから場外に出されたり、返されたりしてしまった。今のタックルではシニアの大会では通用しないと思いました。帰ってから、初心に戻ってタックル、レスリングをやり直したいです。そして世界選手権では今回の反省を克服して出場し、シニアで通じるレスリングができるように練習していきます」


 72kg級・新海真美(アイシン・エイ・ダブリュ)「決勝に行きたかったです。でも(1月の)モンゴル・オープン大会で三決で負けてメダルがなかったので、今回は絶対にメダルを取りたかった。取れて良かったです。モンゴルではツー・オン・ワンで腕を取られて、すごく投げられてしまった。直前の合宿でツー・オン・ワンの切り方をやっていたのと、ハーフタイムや練習でもコーチ陣の的確な指示をもらったので、今回は同じことを繰り返さなかったのがよかったです。負けた準決勝のモンゴルは67kg級の時にやったことがある相手で、やりにくいのは知っていました。正面タックルに入ってもとれないので、片足に行きましたが、相手の方が上でした。前回は一方的にやられたけど、今回はタックルに入れて、あとちょっとのところまでいけたので、少し近づいたかな、と思いました。

 三決の相手は敗者復活戦の試合を見た感じでいけるかな、と感じたけど、気を抜かないでいこうと思っていました。初めての相手なので少し怖かったですが、組んでみたら大丈夫でした。これもツー・オン・ワンで捕まりましたが、ポイントは取られなかったのでよかったです。全日本選抜選手権でも勝って世界選手権に出たいです。(五輪予選に出るチャンスはゼロではないが)チャンスがあれば、出場権を取ります。準備しておきます」


 男子フリースタイル55kg級・稲葉泰弘(警視庁)「決勝では負ける時の悪いパターンが出てしまいました。2010年の世界選手権と同じですね。勝っていて守りに入ってしまい、そこをさされて押し出されました。第3ピリオドに入ると、ばててきて思うように体が動かせない。というのは、練習が足りないんだろうなと感じます。世界3位のイランでしたが、やり方によっては勝てない相手ではないと感じました。アンクルも決まった。あと1,2回転していたら相手も諦めていたと思う。ばてたところからもしっかりテクニックが出せるようにするのが大事。

 インド戦は相手が力が強く、第1ピリオドでは同じタックルに2,3回かかってしまった。取られる時は上体が浮いている時で、常に相手より低く構えることが大事だと思った。第2ピリオドでは修正できて、カウンターでタックルしてフォールで勝つことができた。五輪予選は自分が決められることではなく、今回のことがどう評価されるかわからないが、今回の反省点は以前から感じていたことなので、五輪予選のチャンスが来た時にはしっかり修正して枠を取る準備です」


 男子フリースタイル60kg級・石田智嗣(早大)「(負けたインドの相手は、日本選手が何度も闘っている相手だが?)自分が日本代表で出ている以上は、どんな相手でも勝たなければならないので、相手がどうとか意識はしなかった。インド戦は押し負ける展開で、組み手が後手後手になって自分のリズムが作れなかった。敗者復活戦では気持ちの切り替えができず、落ち込んだ気持ちのままで、三決でも、優勝以外は全て同じという気持ちと(敗者復活戦での)けがのため、気持ちは落ち込んだままでした。けがを悪化させないため、タックルが決まったらなるべく多くポイントを取ってフォールしようと思い、その通りにできました。

 結果的にアグレッシブなレスリングになったことはよかったです。これをきっかけにアグレッシブなレスリングをするようにしたい。そのためには組み手で負けていないことが前提条件。組み手をもっと練習します。(国内の)五輪予選については、自分は何も言えませんが、五輪に出たいという気持ちは強い。実力をアップしてチャンスを待ちたい」