2012.02.10

打倒カレリンを果たしたルーロン・ガードナー(米国)がロンドン五輪出場を目指して始動

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 2000年シドニー五輪のグレコローマン130kg級で12年間無敗のアレクサンダー・カレリン(ロシア)を破って金メダルを取ったルーロン・ガードナー(米国=40歳)が、現役復帰へ向けて始動。1月27日にコロラドスプリングズで行われた団体戦「KiKi Cup」に出場し、4戦全勝をマークした。

2004年アテネ五輪で銅メダルを取った時のガードナー

 ガードナーはシドニーでの歴史的勝利のあと、翌年の世界選手権でも優勝。その後、雪山で遭難し、右足中指を切断するアクシデントを乗り越えて2004年アテネ五輪に出場、銅メダルを取って引退した。同年大みそかには日本の総合格闘技イベント「PRIDE」に出場し、プロの道を歩むかと思われたが、この1試合で終わり、レスリング教室を開催するなどの活動をしていた。

 昨年、増えすぎた体重を落とすためにテレビ番組の「Biggest Loser」に出演し、“衆人環視”のもとで減量に挑戦。汗をかくことで現役への思いが再燃し、復帰へ向けてトレーニングを積んでいた。「KiKi Cup」は、今月初めの「デーブ・シュルツ記念国際大会」に出場する外国チームを相手にした親善大会。ガードナーはインド2選手、スペイン選手、イタリア選手を相手に全勝で、トータルスコアは25-0という圧勝だった。

 この大会は計量を行っておらず、正式の大会に出場するには、あと30ポンド(約13.6kg)落とす必要があるという。ガードナーは「いい経験ができた。ちょっと重たいが、強さもスピーもグッド。オリンピックイヤーに、とてもエキサイティングな気持ちだ」と話した。

 最大の敵と思われる2008年北京五輪代表のドレミエル・バイヤーズは、昨秋の「サンキスト・キッズ国際大会」「NYACホリデー・オープン」、今回の「デーブ・シュルツ国際大会」と、米国内での国際大会を3大会連続で優勝し、実力を見せているが、その壁を破れるか。