2012.02.06

全日本女子チームが今年初の合宿スタート

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 ロンドン五輪の日本代表を決めた3選手を含む全日本女子チームが2月5日、東京・味の素トレーニングセンターで、年末~年始の短期合宿を除いて今年最初の合宿をスタートした(右写真)。

 合宿は今年初だが、1月初めには67kg級の井上佳子(クリナップ)を含めたチームがモンゴルへ遠征し、下旬には63kg級の伊調馨(ALSOK)を含めたチームがロシアへ遠征し、活動はスタートしていた。

 モンゴルへ遠征した齋藤将士コーチ(警視庁)から「外国選手は日本選手のスピードを嫌がり、例外なく腕を取ってくる。そのために攻めあぐむ選手が多かった」と、腕を取ってきた時の対策が不可欠とのアドバイス。

 ロシアへ遠征した木名瀬重夫コーチ(日本協会専任コーチ)は「外国選手が瞬発力とパワーにすぐれている。日本選手とやる時は、しっかりデフェンスしてくるが、そこでバランスは崩れている。その時にどう攻めるかが大事」と、単発ではなく連続した攻撃の重要性を説いた。

 初日は腕取りの対策に時間を割き、スパーリングで仕上げた。栄和人・女子強化委員長(至学館大)は「オリンピックに向けた合宿がスタートする。各自が課題を見つけ、克服していくしかない。自分で考え、追求していくしかない」と話し、五輪代表選手だけでなく、世界選手権ほかの大会を目指す選手に自覚を求めた。

 五輪実施階級の中でただ一人出場枠を持っておらず、3月末のアジア予選(カザフスタン)で出場枠獲得を目指す72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ、同級の試合は4月1日)は「全日本合宿は、同じくらいの階級の女子選手と練習できる貴重な機会。コーチのほか他の選手にもアドバイスしてもらい、技術のひとつひとつを確認していきたい」と話した。

 アジア予選に出場が予想される選手の戦力分析はまだとのこと。カザフスタンが出場枠を取っているので、中国が敵となりそうだが、「モンゴルの67kg級でやっていた選手が72kg級に上げている。そちらが出てくるかもしれない」などと情報は集めており、「だれが出てきても勝たなければ」と気を引き締めていた。

 合宿は9日まで行われる。

腕を取られた時の対策を練る伊調馨

金浜良コーチの指導で腕取り対策を研究する浜口京子

齋藤コーチの熱烈指導に悲鳴をあげた吉田沙保里

グラウンド技術を研究する小原日登美