※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
学生王者、大学王者を中心にした学生選抜チーム
滝山将剛団長(国士舘大部長)は「学生の経験として毎年実施している冬の海外遠征。経験をさせるという意味で、やっていることは間違いないと思うが、このあたりで結果を出さなければならない」と、単なる経験を積むための遠征にはしないことを強調。
そのためには、1人でも2人でもいい成績を残し、リーダーとなるべき選手が必要と考えている。今回のチームには、全日本チャンのピオンの高谷惣亮(拓大=フリースタイル74kg級)がいるので、高谷に中心的な役割を期待し、かなり前から言われている「学生は弱い」という評判を払しょくしたい考えを話した。
一方で、「レスリングが強ければ、後は何もない、という選手であってもならない」とも強調する。今回の遠征にあたって、パスポートを郵送するのに80円切手を貼って送った選手がいたとのことで、「大きさや重量によって郵便料金が変わることを知らない人間が社会で通用するわけない。スポーツ・バカでは駄目だ」と厳しく話し、社会常識やマナーなど、マットを降りたところでの人間としての成長も求めた。
全日本王者となり、3月末の五輪アジア予選(カザフスタン)に出場予定の高谷は、国際大会は2010年世界学生選手権以来なく、ちょうどいいタイミングで外国選手との試合を経験できる機会に恵まれた。「外国選手の動きに自分の体がどこまでついていけるかを確かめるとともに、結果を出したい」と話す。チームで唯一の全日本チャンピオンというプライドもある。「ボクが勝たなければ、周囲の気持ちが違うでしょう」とのこと。
これまでの外国選手との試合は、「ちゃんと負けたことがないんです」-。返し技を受けたりして、負けたという気持ちの少ない黒星ばかりだそうで、「返し技を注意したい」と言う。
フリースタイル74kg級は米国が伝統的に強い階級で、昨年の世界選手権でも全米学生王者のヨルダン・バロースが優勝し、米国に久しぶりに世界王座をもたらした。「出てきますかね。ぜひ闘ってみたいです」と話し、リーダーらしく積極的な気持ちを見せていた。
遠征メンバーは下記の通り。試合は3日にフリースタイル、4日にグレコローマンが行われる(2日は女子)。
◎役員
2010年世界学生選手権以来のコンビ。滝山団長と須藤監督
【監督】須藤元気(拓大監督)
【コーチ】吉本収(神奈川大監督)、馬渕賢司(中京学院大監督)
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◎選手
【フリースタイル】
▼55kg級 高安直人(日体大)
〃 半田守(専大)
▼60kg級 池田智(日大)
〃 鈴木康寛(拓大)
知名度抜群の須藤監督。ゲートに入るまでのわずかの間に何人もの人から握手や記念撮影を求められた。
【グレコローマン】
▼55kg級 中野智章(日体大)
▼60kg級 矢野慎也(拓大)
▼66kg級 井上貴尋(日体大)
〃 富塚拓也(日体大)
▼74kg級 中村隆春(日体大)
▼84kg級 奥田啓介(拓大)
▼96kg級 有薗拓真(山梨学院大)
▼120kg級 村木孝太郎(拓大)