※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
■男子グレコローマン55kg級・長谷川恒平(福一漁業=5連覇を達成し、第一人者の強さを見せる)「ロンドン五輪に向けてようやくスタートラインに立った。4試合やりましたけど、国内でも強い選手ばかりなので、楽な試合はなかったです。3月のアジア予選では、強豪がそろっているので、その中で頭一つ抜け出したいです。(世界V5のハミド・スーリヤンがまだ五輪出場枠を取ってないが)、誰がどうとかではなく、自分のことを考えたい。今年は(海外遠征をせず)国内で一番追い込んだけど、世界選手権で結果を出せなかった。(世界で負けた後の)9月、10月とモチベーションが上がらなかったけど、日体大の練習で若手の選手たちが僕を倒そうと必死に向かってくることで、まだまだ負けられない、チャンピオンらしくしなくては、と思った。男子はオリンピック14大会連続メダルを取っているが、その伝統のにない手になりたい」
■男子グレコローマン60㎏級・松本隆太郎(群馬ヤクルト販売=3連覇と兄弟優勝を達成)「今までの成績に関係なく、今日はコケたら終わり。試合前はあまり緊張する方ではないけど、今日はここで負けたらレスリング人生が終わるというプレッシャーがあった。『よかった』が一番に出てくる言葉です。今日はグラウンドで大技も出せたし、内容もそこそこだったので自信にもなりました。去年の世界選手権で2位になって、今年の世界選手権は1発目で負けて、何か相手を上回る要素が必要だと感じました。自分はスタンドからガンガン攻めて相手選手のスタミナを奪って、グラウンドでひっくり返すというスタイルです。そこは変わらないけどしっかり戦い方を決めて、(アジア予選で)オリンピックのキップを取ってきたい。(弟の篤史がフリースタイル84㎏級で優勝して)昨年は世界選手権に兄弟で出た。オリンピックに兄弟で出場すれば日本レスリングでは初めてと聞いているので、がんばって周囲の人に恩返しをしたいと思います」
■男子フリースタイル84kg級・松本篤史(ALSOK)「今年の成績がなかなかよくなく、4月(全日本選抜選手権)も最初でコケて、10月の国体も決勝で今日の決勝と同じ相手(門間)に負けて…。天皇杯は1年の最後なので、ロンドンの道がひらけて、スタートラインに立てたとホッとしている。2回戦は(今年の世界選手権代表の)松本真也さんと対決でした。練習でもタックルで取られてやられていたけど、最後に本番では勝たないと思っていた。今日は体も動いたので、自分の持ち味を出せた。決勝でも、フルセットでも勝つ自信があった。日本の重量級は勝つのが難しいけど、どうにかこじあけて最後まであきらめずにしたい。(軽量級で世界でも実績がある)兄のほうが先に五輪に出るだろうけど、それについていけるようにしたい」
■男子フリースタイル96kg級・磯川孝生(徳山大職=3連覇を達成)「今年は自分でも思ったような成績を残せなかったので、最後くらいは締めくくりたいと思っていました。(第3ピリオドのボールピックアップまでもつれた)決勝戦は点数を取り切れなかったことが課題。今大会はどこかしら世界選手権の時の怖さが残っていて不安はあったのは事実です。今年は昨年のアジア大会で銅メダルを取った頃のレスリングをよく見て、プラスアルファを加えたつもりだったけど、もっと原点に戻る必要性を感じています。第3ピリオドまでもつれる試合になっても、一つひとつしっかりポイントを取ることが課題です。(3月のアジア予選は)自分のレスリングの集大成。ロンドン五輪の先にレスリングを続けるのかといえば、やらない可能性が高いと思う。すべてを出し尽くして出場権をつかみたい」
■男子フリースタイル120㎏級・荒木田進謙(専修大クラブ=安定した試合内容で連覇を達成)「毎回のことですが、ほっとしています。準決勝で1失点したので、それがなければ完璧でした。大会1週間前に右足をねん挫して、あまり踏ん張れないのでタックルに入れませんでした。その分、今日は組み手だけでも十分にやれることが分かった。足が万全になったら今日の組み手にプラスしてタックルをもっと練習していきたいです。オリンピックは小さい頃からの目標なので、何が何でも出たいという気持ちです。そのためにはどんなに時間を削っても練習をしていくしかないと思います。外国人に負けない体を作りたいので体重は増やしたい。今は110㎏くらいなので120㎏を超えるくらいまで増やしたい。とにかく死ぬ気で食ってます(笑)」
■女子59kg級・斎藤貴子(自衛隊=連覇を達成)「今大会は9月の世界選手権で銅メダルを獲った後だったので、プレッシャーがありました。決勝は同門対決(対島田佳代子)だったし、1、2回戦から苦しかったです。全体の内容としては攻め切れなかったところがありました。(59kg級はオリンピック階級ではないが)自分はこの階級で世界のトップを目指しています。まずは59kg級で世界1位になりたい。そのためにはもっともっと練習すること。攻めがまだまだ弱いので取りきれるようにしていきたいです」
■女子67kg級・土性沙羅(愛知・至学館高=高校2年生で全日本制覇)「優勝しか考えていなかったので、ホッとしている。(第3ピリオドのラスト4秒にタックルを受けそうになったが)最後まで取られないと思っていた。(しのげて)よかった。(この夏はゴールデングランプリ優勝、世界ジュニア優勝と世界で結果を残した)世界でも勝ちましたけど日本で勝ちたかった。今回は来年の世界選手権に出られるように(非五輪階級の)67㎏級にしました。この階級はまだ日本勢が金メダルを取っていないので、私が取りたいです」