2011.12.11

【全日本選手権・展望7】世界で通じる“三強”の争い…男子フリースタイル55kg級

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

(12月22日実施)

長く続いたライバル、湯元(赤)と稲葉。決勝で決着戦となるか?

 2010年アジア&ゴールデンGP王者で今年の世界選手権で8位入賞した湯元進一(自衛隊)と、昨年の世界選手権で銅メダルを獲得した稲葉泰弘(警視庁)、復帰して実力を戻しつつある2008年北京五輪銀メダリストの松永共広(ALSOK)の争い。

 4月の全日本選抜選手権は湯元が2回戦で富岡直希(NEWS DERI)に不覚を喫しながらも、プレーオフで優勝した稲葉に勝ち、世界選手権の代表権を獲得した。湯元は稲葉に最近3連勝しており、通算の対戦成績も11勝7敗と勝ち越している。しかし、敵は稲葉と松永だけでないことは今春に痛感したはず。決勝前に取りこぼしたら、五輪への道が途絶える。

 稲葉が意地を見せるか。松永がベテランの味を発揮して2度目の五輪への道をこじ開けるか。

 全日本社会人選手権60kg級と国体で優勝した守田泰弘(山口県協会)、4月に湯元を破った国体2位の富岡直希(NEWS DERI)、全日本社会人選手権優勝で10月のサンキスト・オープン国際大会で銅メダルを取った冨田和秀(自衛隊)らも殊勲を狙う。

 若手では、全日本学生選手権優勝の高安直人(日体大)、昨年の学生王者で今年は全日本大学選手権で優勝した半田守(専大)、JOC杯ジュニアオリンピック優勝の森下史崇(日体大)の躍進なるか。インターハイで史上3人目の3連覇を達成した高橋侑希(三重・いなべ総合学園高)のファイトぶりも注目される。

 


 ◎エントリー選手(順不同)

松永共広(ALSOK)
  1980年6月27日生まれ、31歳、静岡県出身、沼津学園高〜日体大卒、163㎝、2011年全日本選抜選手権2位
稲葉泰弘(警視庁)
  1985年10月21日生まれ、26歳、茨城県出身、霞ヶ浦高〜専大、162㎝、2011年全日本選抜選手権優勝
半田守(専大)
  1990年5月28日生まれ、21歳、京都府出身、網野高卒、164㎝、2011年全日本大学選手権優勝
若林健太(東洋大)
  1989年4月11日生まれ、22歳、鹿児島県出身、日本文理附属高卒、160㎝、2011年全日本学生選手権3位
髙安直人(日体大)
  1990年3月25日生まれ、21歳、千葉県出身、佐倉南高卒、163.5㎝、2011年全日本学生選手権優勝
森下史崇(日体大)
  1992年3月5日生まれ、19歳、茨城県出身、霞ヶ浦高卒、160㎝、2011年全日本学生選手権2位
西洸大(早大)
  1991年5月1日生まれ、20歳、東京都出身、網野高卒、162㎝、2011年東日本学生新人選手権優勝
冨田和秀(自衛隊)
  1985年6月4日生まれ、26歳、三重県出身、鹿屋中央高〜大東文化大卒、164㎝、2011年全日本社会人選手権優勝
谷口徹(自衛隊)
  1988年4月19日生まれ、23歳、熊本県出身、玉名工高卒、163㎝、2011年全日本社会人選手権3位
川野陽介(自衛隊)
  1992年3月12日生まれ、19歳、宮崎県出身、宮崎日大高卒、166㎝、2011年全日本社会人選手権3位
守田将弘(徳山大)
  1992年1月18日生まれ、19歳、山口県出身、鹿島実業高卒、160㎝、2011年西日本学生新人戦優勝
守田泰弘(山口県協会)
  1987年6月23日生まれ、24歳、山口県出身、三井高〜日体大卒、160㎝、2011年国体優勝
桑木黎(中京学院大)
  1990年5月16日生まれ、21歳、岐阜県出身、岐南工高卒、164㎝、2011年全日本選抜選手権5位
高橋侑希(三重・いなべ総合学園高)
  1993年11月29日生まれ、18歳、三重県出身、159㎝、2011年インターハイ優勝
西山凌代(拓大)
  1992年9月12日生まれ、19歳、香川県出身、高松北高卒、160㎝、2011年全日大学選手権3位
入江真司(国士舘大)
  1990年12月5日生まれ、21歳、福岡県出身、門司北高卒、163㎝、2011年国体3位
富岡直希(NEWS DERI
  1985年9月8日生まれ、26歳、長野県出身、上田西高〜日体大卒、161㎝、2011年国体2位
湯元進一(自衛隊)
  1984年12月4日生まれ、27歳、和歌山県出身、和歌山工高〜拓大卒、164㎝、2010年全日本選手権優勝
山内拓真(自衛隊)
  1990年3月17日生まれ、21歳、青森県出身、光星学院高卒、158㎝、2011年全日本社会人オープン選手権優勝

 


 ◎最近の男子フリースタイル55kg級の成績(所属はすべて大会当時)

 《2011年》

 【10月:国民体育大会】

 ▼決勝
守田泰弘(山口・山口県協会)○[2-0(1-0,1-0)]●富岡直希(長野・NEWS-DERI)

 ▼準決勝
富岡直希(長野・NEWS-DERI)○[2-0(3-1,2-1)]●入江真司(福岡・国士舘大)
守田泰弘(山口・山口県協会)○[2-1(TF6-0=0:21,TF0-6=1:25,1-0)]●森下史崇(茨城・日体大)

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 【4月:全日本選抜選手権】

 ▼プレーオフ
湯元進一(自衛隊)○[2-0(1-0=2;04、TF6-0=0:35)]●稲葉泰弘(警視庁)

 ▼決勝
稲葉泰弘(警視庁)○[2-1(1-4,2L-2,2L-2)]●松永共広(ALSOK)

 ▼準決勝
稲葉泰弘(警視庁)○[2-0(1-0,4-1)]●富岡直希(NEWS DERI)
松永共広(ALSOK)○[2-0(1-0=2:25,6-1)]●守田泰弘(山口県協会)

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 《2010年》
 
 【12月:全日本選手権】

 ▼決勝
湯元進一(自衛隊)○[2-0(1-0=2:05、TF6-0=1:23)]●松永共広(ALSOK)

 ※湯元は2年ぶり2度目の優勝

 ▼準決勝
松永共広(ALSOK)○[2-0(4-1,5-2)]●稲葉泰弘(警視庁)
湯元進一(自衛隊)○[2-0(1-0,4-0)]●守田泰弘(山口県協会)

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 【10月:国民体育大会】

 ▼決勝
富岡直希(長野・NEWS-DERI)○[2-1(2-2L,1-0,1L-1)]●守田泰弘(山口・山口県協会)

 ▼準決勝
富岡直希(長野・NEWS-DERI)○[2-0(2-0,4-1)]●奥田賢市朗(愛知・日体大)
守田泰弘(山口・山口県協会)○[2-0(1-0,3-1)]●森下史崇(茨城・日体大)

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 【5月:全日本選抜選手権】

 ▼プレーオフ
稲葉泰弘(警視庁)○[2-1(0-2,1-0,3B-3))]●湯元進一(自衛隊)

 ▼決勝
湯元進一(自衛隊)○[2-1(3-2,0-2,3-1)]●稲葉泰弘(警視庁)

 ▼準決勝
稲葉泰弘(警視庁)○[2-0(3-0,2-0)]●守田泰弘(山口県協会)
湯元進一(自衛隊)○[2-1(0-3,3-0,1C-1)]●松永共広(ALSOK綜合警備保障)

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 《2009年》

 【12月:全日本選手権】

 ▼決勝
稲葉泰弘(警視庁)○[2-1(1-1L,1-0,2-0)]●田岡秀規(自衛隊)

 ▼準決勝
稲葉泰弘(警視庁)○[2-0(TF6-0=1:45,TF6-0=1:02)]●森下史崇(茨城・霞ヶ浦高)
田岡秀規(自衛隊)○[フォール、2P1:49(1-0,F4-0)]●冨田和秀(自衛隊)

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 【10月:国民体育大会】

 ▼決勝
田岡秀規(埼玉・自衛隊)○[2-0]●冨田和秀(三重・自衛隊)

 ▼準決勝
田岡秀規(埼玉・自衛隊)○[2-0]●富岡直希(長野・日体大研究員)
冨田和秀(三重・自衛隊)○[2-1]●猪股大志(宮崎・日体大)

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 【6月:全日本選抜選手権】

 ▼決勝
湯元進一(自衛隊)○[2-1(3-5,2-1,1-0=2:04)]●田岡秀規(自衛隊)

 ▼準決勝
湯元進一(自衛隊)○[2-0(4-1,TF6-0=1:51)]●富田和秀(自衛隊)
田岡秀規(自衛隊)○[2-0(3-0,2-1)]●稲葉泰弘(警視庁)

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 《2008年》

 【12月:全日本選手権】

 ▼決勝
湯元進一(自衛隊)○[2-1(0-2,7-0=0:47,1-0=2:03)]●稲葉泰弘(警視庁)

 ▼準決勝
湯元進一(自衛隊)○[フォール、1P1:15(4-0)]●守田泰弘(日体大)
稲葉泰弘(警視庁)○[フォール、1P1:51(3-0)]●清水聖志人(クリナップ)