※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=保高幸子)
全国中学生選手権優勝の荒木大貴(玉名中/タイガーキッズ)が階級を上げ、同選手権2位の阿部敏弥(稲付/JOCアカデミー=写真)が最有力候補だった男子38kg級。阿部は半年間、決勝で荒木に負けた悔しさをバネにして練習してきた。
「小学生の時に勝っている荒木選手に負けたことが悔しかったです。ばてて負けてしまったので、この大会に向けて、体力をつけてきました」と、走り込みなどでスタミナを強化してきた。スパーリングでも「いつもより気を引き締めてやりました」という阿部。今回はばてずに攻め続けることができた。
アカデミーに入って親元を離れ、「生活ががらりと変わったので、慣れるまでは大変でした」ということがレスリングに影響したかもしれない。しかし、今ではそれもクリアし、精神的にも強くなったのだろう。
■荒木大貴へのリベンジ魂がモチベーション
「絶対に勝つという気持ちでした」というように、決勝でも前に出るレスリングを続けることができた。目標は「オリンピックで金メダルをとれるようになりたい。まず来年の全国中学生選手権で優勝したいです」と言う。
決勝で闘う阿部(赤)
アカデミーの先輩(乙黒圭祐)が世界カデット選手権で入賞したのを見て、「自分も世界で通用するレスリングができるようになりたいです」という気持ちに拍車がかかった。小さな体に大きな夢を持つ阿部の挑戦は続く。