※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
11月19日、ロシア・ハバロフスクでジュニアのロシア・日本対抗戦「マーキュリー・カップ」が行われ、学生選抜チームが参加した。同行した和田貴広・フリースタイル・コーチに大会の様子をレポートしてもらった。
対抗戦に参加した日本とロシアの選手たち
若い選手にとっては、思わぬところでロシア選手と試合をできる機会をもらえ、とてもいい経験になったと思います。来年以降も行われるかどうか分かりませんが、やはり外国選手と練習や試合をできるというのはいいことですので、
ハバロフスクは、レスリングではあまり話に出てこない都市です。ロシアで試合や練習をしたことがありますが、ハバロフスクは初めて訪れました。練習したところは体育大学のレスリング場です。レスリングが盛んかどうかまでは分かりませんが、レスリング王国のロシアだけに、こうした地方都市でもレスリングに打ち込む選手が多いのではないでしょうか。
試合形式は、ロシアと日本の対抗戦で、フリースタイルが5階級、グレコローマンが6階級。フリースタイルのロシア・チームは、5月のジュニアのワールドカップ(ドイツ)や7月の世界ジュニア選手権(ルーマニア)に出場していた選手が顔をそろえていました。
グレコローマンは極東のチームだったようですが、試合ぶりを見ると、かなりの実力者がそろっていました。後で聞いた話ですが、この大会のことがロシア・レスリング協会のホームページに載っていたとのことです。単にロシアの1地方都市と日本との対抗戦ではなかったようです。
五輪V3のアレクサンダー・カレリンが主宰するカレリン財団というところが主催した大会で、カレリンも来場し、大会に盛り上げました。大会の前日にはロシア・チームと合同練習をやりましたが、その時にもカレリンが来てくれ、一緒に練習する機会にも恵まれました。
■チーム・スコアでは敗れたのの、思った以上の善戦
試合は、日本が3-8で敗れました。勝ったのはグレコローマン55kg級の木村洋貴(日体大)、フリースタイル60kg級の鴨居正和(山梨学院大)、同84kg級の加賀谷庸一朗(国士舘大)の3選手。
スコアからすれば負け越したわけですが、思った以上に善戦したというのが正直な感想です。ロシアのベストメンバーに近い相手ですから、もっと一方的にやられるかな、という気持ちもありました。
会場は4000人くらいの観客が入っていて、こうした雰囲気に慣れていない日本選手は実力を発揮できないかもしれないとも思いましたが、そんなこともなく、どの選手も思い切って闘っていたように思います。
冬ではありませんが、気温は氷点下15度にまで下がりました。日本選手の中には厚着を持って来ておらず、現地で調達した選手もいました。こうした経験をできたことも、今後の国際大会で役立つことと思います。
国際交流は選手にとって貴重なき経験です。こうした国際大会の機会を数多くつくっていただき、学生選手の強化につなげていきたいと思います。(談)
![]() 試合の様子 |
![]() 日本チーム |