※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
社会人になって最初の大会で優勝を手にした五位塚
五位塚は「まさか登って(勝って)いけるとは思っていなかった。スタミナもなかったし、自分でも不思議に思います」と、快挙が信じられないといった表情。大学を卒業し、消防学校に通って今年の春から消防士へ。不規則な勤務がゆえに練習に打ち込むことはできず、時間を見つけては山梨県内の山梨農林高校などの練習に加わる環境だという。
「勝つというより、楽しくレスリングをやろう、という気持ちでやっています。そのリラックスがよかったのでしょう。思い切って攻撃することができました」と、接戦を勝ち抜いた要因を分析した。
高校や大学は、常にチームの看板を背負って闘っていた。それはどの選手も同じだが、インカレ4連覇・元全日本王者の息子として、切り離すことのできない重圧が存在したのは間違いない。「今はすべてなくなりました。楽しく試合ができました」と話し、リラックスが最大の勝因と強調した。
■全日本選手権で、「五位塚」の名前が躍るか
父・悟さんも51歳にして出場を続けており(2008年出場時の記事)、今年もこの階級に出場していた。お互いに勝ち上がれば決勝で親子対決が実現するところで、周囲の注目と期待もあったが、悟さんが3回戦(2試合目)で負けてしまい、この闘いはなし。五位塚は「そんなに意識はしていなかったです。でも、闘えたらいいな、とは思いました。まだやるみたいですから、いつか闘えればいいですね」と話し、来年以降の“夢”とした。
決勝では自衛隊選手相手にタックルがさえた
悟さんは「練習できていたわけではないのに、よく勝ち抜きましたね。組み合わせも厳しいものだったのに。負けてもいいや、という気持ちがいい方向に出てみたいです。やっぱり、うれしいです」と安堵の表情。父の実績が重荷になっていた可能性については「あったかもしれませんね」と言う。そして、「今は何もないですし、若いのだから、これからも頑張ってほしい」と話した。
全日本選手権出場に関しては、「学生時代は出られなかった大会。、簡単に出られる大会ではないのだから、出させます。楽しみです」と話した。