※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=樋口郁夫)
地元優勝を目指した全国チャンピオンの南條だが、決勝で成國に惜敗
40kg級で全国大会を制していた平田彩夏(福岡・ギルド)、36kg級2位の松雪成葉(刈谷チビッコ)も同じ階級。すなわち36、40kg級の強豪がすべてそろった闘いは、南條と平田が2回戦で対戦する組み合わせ。しかし平田は不出場。このブロックを勝ち上がった南條は、松雪を破った成國との決勝に臨んだ。
息詰まる攻防は、お互いに攻め合うがポイントが取れず、0-0で延長へ。仕掛けたのは南條。タックルが決まったかに見えた瞬間にカウンター技を受けてバランスを崩し、背中をマットに向けていた悔しい負け方だった。
試合直後は目を真っ赤に晴らした南條は、しばらくすると「前には出ることができた。タックルにいっての負けでしたから、次につながると思います」と、この負けを前向きに受け入れた。
体重はまだ40kgなく、成國とは体重の面で差があったようだが、それを言い訳にすることもなく、「中学へいって頑張りたい。片足タックルに入ってからのさばき方を極めていきたい。全国中学生選手権での優勝を目指します」ときっぱり。親元を離れて進学することも視野に入れ、1年生での全国中学チャンピオンを目指す。
なお、昨年、大阪・エンジョイに大会史上初めて団体優勝を奪われた吹田市民教室は、四日市ジュニアを1点差で破って王座を奪還。第25回の記念すべき大会を飾ることができた。
しかし、宮本輝夫代表が「優勝と言っても内容はよくない。体力的に他クラブに負けている。勝った気分ではない。もう一度、根本的にやり直したい」と話せば、伊藤順次監督も「6年生が勝てていないのが現実。もう一回やり直したい」と厳しく、ともに喜びはなし。名門復活へ向けて気持ちを引き締めていた。