【記録室】グレコローマンの学生二冠王者

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

　全日本大学グレコローマン選手権で、74kg級の中村隆春と84kg級の辰川裕也（ともに日体大）が８月の全日本学生選手権に続いて優勝し、学生二冠王者に輝いた。全日本大学グレコローマン選手権がスタートした1989年以降、学生二冠王はのべ89選手が達成しており、今回が90、91選手目となる。

　また、中村は２年生での快挙。日本の高校はフリースタイルは主流であることもあり、大学の１、２年生で上級生をさしおいて学生二冠を制覇するのは至難の業。過去、１年生で達成した１人を含め、２年生までに学生二冠王を達成したのは、下記の６選手。いずれも高校時代に全国王者の経験がある選手だ（石田はグレコローマンでは全国王者なし）。

１、 1991年48kg級　森下　 浩（日体大２年）
２、 1996年48kg級　村田知也（日体大１年）
３、 1996年52kg級　豊田雅俊（拓大２年）
４、 1996年62kg級　石田亮一（日体大２年）
５、 2004年74・84kg級　鶴巻　宰（国士舘大２年）
６、 2005年60kg級　松本隆太郎（日体大２年）

　中村はＪＯＣ杯カデット選手権の優勝はあるものの、高校タイトルはなく、快挙と呼べる成績だが、さらに快挙を重ねるスタートラインにも立った。上記の６選手のうち、翌年も学生二冠王を獲得したのは石田ただ一人。石田は最終学年の４年生の時は学生二冠王を逃しており、いまだに学生二冠王を３度取った選手はいない。（村田と豊田は４年生の時に取っているので、通算２度達成。他の選手は１度だけ）。

　来年も二冠を取ることだけでも史上２人目の快挙となるが、３度挑戦の資格を得たのだから、残る２年間もがんばってもらい、史上初へ挑んでほしいところ。高校のタイトルがない選手であっても、伸びることを示してほしい。

　グレコローマンの学生二冠王達成選手は下記の通り。