2011.09.26

国体・成年グレコローマン展望…故郷での復帰戦でV2を目指す藤村義(山口・自衛隊)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

地元での国体で復帰するアジア大会66kg級銅メダリストの藤村義

 10月2日(日)~5日(水)に山口・周南市新南陽体育館で行われる国民体育大会の成年グレコローマン(4~5日)も、同フリースタイル同様、全日本選手権並みのハイレベルの階級ぞろい。

 74kg級は世界選手権代表を争ったカードが決勝で実現する可能性がある一方、負傷の治療で戦列を離れていたアジア大会66kg級銅メダリストの藤村義(山口・自衛隊)もこの階級で復帰参戦し、地元でV2を目指す。階級を超えた激戦が予想される。

 55・60・66kg級は、今年の世界選手権代表への“第1挑戦権”を競うかのうようなメンバーがそろった。

 各階級の見どころをさぐった。


 

 ◎男子グレコローマン

 【55kg級】組み合わせ

 昨年優勝で全日本選手権2位の峯村亮(神奈川・神奈川大職)と全日本選抜選手権2位の田野倉翔太(東京・日体大)が2回戦で激突する組み合わせ。同じブロックには、昨年3位の禎卓也(鹿児島・自衛隊)と村田知也(三重・久居高教)の2選手もいて、初戦激突する。

 反対のブロックでは、昨年の学生二冠王の梶雅晴(兵庫・山梨学院大)、全日本社会人選手権優勝の清水早伸(岐阜・自衛隊)、昨年2位の尾形翼(山形・ALSOK)らがひしめく。

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地元で優勝を目指す谷岡泰幸

 【60kg級】組み合わせ

 昨年の全日本選手権と今年の全日本選抜選手権でともに2位の倉本一真(滋賀・自衛隊)が首ひとつ抜けている状況と思われるが、全日本選抜選手権3位の谷岡泰幸(山口・自衛隊)、昨年の全日本社会人選手権優勝の城戸義貴(熊本・自衛隊)の同門選手が同じブロックから決勝進出を狙う。

 反対のブロックでは、全日本社会人選手権優勝の佐々木孝(埼玉・自衛隊)、同2位の中村勇太(佐賀・自衛隊)、全日本学生選手権優勝の泉武志(愛媛・日体大)と発展途上の選手がそろった。

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 【66kg級】組み合わせ

 五輪3度出場の笹本睦(神奈川・ALSOK)と2009年全日本王者の清水博之(滋賀・自衛隊)が同ブロック。全日本選手権の前哨戦となる対戦が準決勝で実現するか。笹本の初戦には全日本学生選手権2位の富塚拓也(群馬・日体大)が挑むことになりそう。清水は初戦で全日本学生選手権3位の音泉秀幸(香川・日体大)と激突する。学生選手の殊勲なるか。

 反対のブロックには、昨年2位の柴田慎吾(宮崎・本城中教)に、昨年の世界学生選手権3位の横山巧(岡山・県協会)、全日本選抜選手権2位の井上智裕(兵庫・育英高教)が挑む。勝ち上がるのはだれか。

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 【74kg級】組み合わせ

 昨年の全日本選手権優勝の田村和男(岩手・早大OB)と今年の世界選手権代表の金久保武大(東京・ALSOK)が出場。ブロックが別なので、お互いに勝ち上がれば決勝で世界選手権代表を争ったカードが再現される。

 田村のブロックには、全日本社会人選手権優勝の葛西直人(埼玉・自衛隊)が打倒田村を狙う。反対のブロックには、昨年のこの大会で優勝しアジア大会66kg級銅メダリストの藤村義(山口・自衛隊)、昨年の全日本学生選手権優勝の武富隆(佐賀・早大OB)、今年の全日本学生選手権優勝の中村隆春(三重・日体大)がそろう。金久保の決勝進出を阻止できるか。

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【84kg級】組み合わせ

 昨年優勝で、今年の全日本選抜選手権優勝の天野雅之(福岡・中大職)が3連覇を目指す。大学時代の同僚で昨年の全日本大学グレコローマン選手権74kg級優勝の中井伸一(千葉・中大OB)、アジア大会74kg級銀メダリストの鶴巻宰(山形・自衛隊)が同ブロック。

 反対のブロックでは、全日本社会人選手権で天野を破って優勝した角功介(青森・自衛隊)が頭ひとつリード。初戦で対戦する昨年3位の菊池峻(茨城・青山学院大)や全日本社会人選手権3位の矢野将章(奈良・奈良県警)が決勝進出を阻止できるか。

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 【96kg級】組み合わせ

 昨年優勝で今年の全日本社会人選手権120kg級優勝の曽我部健(徳島・日亜化学工業)に、今年の世界選手権代表を勝ち取った有薗拓真(兵庫・山梨学院大)が挑む状況。お互いに勝ち上がれば決勝で激突。

 曽我部のブロックには、全日本社会人選手権優勝の伊藤諒(埼玉・自衛隊)と全日本学生選手権優勝の大坂昂(秋田・早大)がいて、有薗のブロックには84kg級の前全日本王者の斎川哲克(栃木・両毛ヤクルト販売)と全日本選抜選手権優勝の森保弘(三重・朝明高講)がいる。決勝で曽我部-有薗が実現するとは限るまい。

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 【120kg級】組み合わせ

 全日本選抜選手権優勝の前川勝利(茨城・早大)と同2位の中村淳志(奈良・奈良県体協)が決勝で対決するか。ともに優勝して弾みをつけ、全日本選手権で王者の新庄寛和に挑みたいところ。

 昨年2位の馬場祐太郎(長崎・島原高教)が前川の決勝進出を阻めるか。