2011.09.17

【世界選手権第5日】「過去にない最強チームになりつつある」…女子・栄和人監督(至学館大教)

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 昨年「金3・銀1・銅2」からメダルの数を落としてしまったものの、五輪前年の熱い闘いの中で3階級で優勝し、国別対抗得点で断トツの優勝を遂げた女子チームの栄和人監督(至学館大教)は「オリンピック前年でどの国も強化している中での金メダル3個は大きい。過去にない最強チームになりつつある」とうれしそうに振り返った。

 今回優勝した3階級は、いずれも来年のロンドン五輪ででも金メダルを取る確信が持てたという。この大会に向けて昨年から10度近くにわたる全日本合宿が思い出されたそうで、「十日町のあの坂道がこの勝利を引き寄せた」と、猛練習がこの栄光の原動力と強調。今後も「妥協しないで強化を続ける」と、さらなる飛躍を誓った。

 55kg級の吉田沙保里(ALSOK)の決勝は今思い返しても「冷や汗が出る。負けた、と思った」と言う。一方で、ラスト3秒で試合が再開され、1点を取りにいって実際に取った技術と試合をあきらめない精神力に感嘆。これを生かして、必ず五輪3連覇を達成させたい気持ちを表した。

 苦しみながら金メダルを取った48kg級の小原日登美(自衛隊)、全試合で快勝した63kg級の伊調馨(ALSOK)も、五輪での確実な優勝に向けて油断せずに強化を続けていきたいという。

 唯一五輪出場権を逃した72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)についても、接戦で負けたのであり、五輪キップは圏内。出場権獲得に向けて全力でサポートする意向だ。冬の間は国内で徹底的に鍛え、「残る予選で必ず出場権を取らせる」と話した。

 至学館大の監督としても、3度目の挑戦で銅メダルを取った井上佳子(クリナップ)、初出場で5位に入賞した51kg級の志土地希果(至学館大)の躍進もうれしそう。金メダルを取った3選手も同監督が育てた選手であり、最高の気持ちでイスタンブールでの闘いを終えた。

2年連続で国別対抗得点で優勝した日本

栄和人監督と激闘を終えた選手たち