※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
イラン選手の棄権で勝者となったイスラエル選手
55kg級でも、イラン選手は1回戦を勝てばイスラエル選手と対戦する組み合わせだったが、この選手は1回戦でモルドバ選手に敗れた。確証はないものの、対戦を拒否するための黒星だった可能性が残る。
イランは1979年のイスラム革命以来、ユダヤ人国家が存在する権利を認めることを拒否している。そのためイスラエルを国家承認せず、五輪などでも対戦を拒否してきた。レスリングや柔道のような直接対戦の競技だけでなく、水泳でも同じ組にイスラエルがいることで棄権している。
アテネ五輪では、イラン体育協会がイスラエル選手との対戦を拒否した柔道選手に金メダル獲得選手と同等の12万5000ドル(約1370万円)の報奨金を与えるなど、イスラエルとの対戦拒否を名誉ある行為としている。
世界ユダヤ人会議は「スポーツマンらしくなく、反ユダヤ人的な行為」と批判。イランがこうした態度を改めるまで五輪や国際競技への出場を禁止するべきだと訴えている。