2011.09.13

世界選手権第1日…長谷川恒平(福一漁業)ら3選手ともに五輪出場権獲得ならず

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 来年のロンドン五輪の出場予選を兼ねた2011年世界選手権は9月12日、トルコ・イスタンブールで開幕。男子グレコローマン3階級が行われ、優勝候補に挙げられた男子55㎏級の長谷川恒平(福一漁業)は敗者復活2回戦で敗れてロンドン五輪出場権の5位以内には入れなかった。他の2選手も出場権獲得はならなかった。

 長谷川は、初戦(2回戦)のフィリピン選手にストレートで勝つと、3回戦で北京五輪2位のロブシャン・バイラモフ(アゼルバイジャン)に1-2で敗れて、敗者復活戦に回った。敗者復活1回戦は昨年5位のバレンチン・ベンコフ(ブルガリア)にストレートで勝利。勝てば5位以内確定となるところまで敗者復活2回戦まで駒を進めた、

 昨年のゴールデンGP決勝大会の決勝で負けているピーター・モドス(ハンガリー)と対戦。あとラスト10秒をこらえれば勝てた展開となったが耐えきれず、1-2で敗れた。

 66㎏級の岡本佑士(警視庁)は、初戦でアメリカンサモアの選手をテクニカルフォールで下して幸先いいスタート。2回戦はポルトガルの選手に第1ピリオドで0-3とリードされたが、残り1秒で巻き投げで3B-3と逆転。勢いに乗ってストレートで下した。だが、3回戦で昨年のパンアメリカン王者のペドロ・ムレンス・ヘレーラ(キューバ)にストレートで敗れた。敗者復活戦には回れず、五輪出場権を獲得することはできなかった。

 男子代表で唯一の学生の96㎏級有薗拓真(山梨学院大)は、初戦で欧州3位のシャルバ・ガダバーゼ(アゼルバイジャン)と対戦し、0-2で敗れた。ガダバーゼが3回戦で敗れたため、敗者復活もなかった。

 各選手の成績は下記の通り。


 ◎男子グレコローマン

 【55kg級】長谷川恒平(福一漁業)      8位=37選手出場

1回戦  BYE
2回戦 ○[2-0(2-0,4-0)]Margarito Angana(フィリピン)
《試合経過》 第1ピリオド、スタンドはノーポイント。グラウンドは赤の長谷川がオフェンスに回ってローリングで2点を奪う。第2ピリオドは、がぶりからバックを奪って1点、場外ポイントで2-0とし、グラウンドでは相手のフライングでコーションをもらってさらに2点を追加した。
3回戦 ●[1-2(0-1,2-0,0-1)]Bayramov Rovshan(アゼルバイジャン)
《試合経過》第1ピリオド、開始40秒にバックに回られて1失点。その後のスタンドも相手に主導権を握られていた長谷川。終盤に再度相手に仕掛けられたバック投げを上手く乗ったかのように見え、当初は2点が長谷川に入ったが、アゼルバイジャン側のチャレンジによってノーポイント。惜しくも1-0で第1ピリオドを落とす。第2ピリオドはグラウンド戦になり、青の長谷川が落ち着いてローリングを決めて2-0。第3ピリオドもグラウンド戦になり、総得点が多い長谷川はディフェンスを選択。だが、バイラモフはクラッチを組むと勢いよく長谷川を持ち上げて俵返し。腹ばいで上手く逃げた長谷川だが、その直後に痛恨のバックポイントを奪われて0-1とされてしまった。
敗者復活戦1回戦 ○[2-0(1-0,1-0)]Venkov Venelin(ブルガリア)
《試合経過》第1ピリオドのスタンドは無得点。防御に回った長谷川は、落ち着いて相手の攻撃を30秒防いで1点。第2ピリオドは、スタンドで相手の背後に回って押し出して1点。終盤に、相手と交錯したしたことで長谷川の前歯が折れるアクシデントがあったが、気力で乗り切った。
敗者復活戦2回戦 ●[1-2(0-1,1-0,0-1)]Modos Peter(ハンガリー)
《試合経過》第3ピリオドともにグラウンド戦になった。第1ピリオドは、赤の長谷川が攻撃権を得たが、ローリングを数回かけても決まらず0-1で落とす。ディフェンスに回った第2ピリオドは、今度は長谷川がこらえてピリオド数を1-1とした。第3ピリオド、ボールピックアップで長谷川は防御に。ピーターは強烈なバック投げを仕掛け、長谷川は1度はこらえたものの2度目を回避できずに痛恨の2失点。五輪出場枠獲得を逃した。
 

 【66kg級】岡本佑士(警視庁)     9位52選手出場

1回戦 ○[2-0(TF7-0=0:36,TF7-0=0:53)]Caleb Tunoa Irving Scanlan(アメリカンサモア)
《試合経過》第1ピリオド、開始9秒で相手を押し出して1点。19秒にバックを奪って1点。バック投げに移行して3点。その流れのままローリングにつなげて計7-0でテクニカルフォール。第2ピリオドは、27秒に押し出して1点。さらに場外ポイントを重ねて2-0。センターに戻って、すぐにバックを奪うとローリング地獄で7-0とした。
2回戦 ○[2-0(3B-3,TF7-0=1:19)]Passos Hugo(ポルトガル)
《試合経過》第1ピリオドのスタンドは無得点で、青のポーランドがグラウンドの攻撃で開始したが、ローリングを決められそのまま場外へ倒されて0-3とされる。万事休すとなるが、そこから巻き投げで逆転となる3ポイントをゲット。ビッグポイントで逆転勝ちした。第2ピリオドは、完全に岡本ペース。バックポイントを奪い、ローリングなどで5-0。その後の胴タックルでテークダウンを奪ったところでポーランドサイドがチャレンジをしたが失敗。7-0でテクニカルフォール勝ち。
3回戦 ●[0-2(0-1,0-2)]Mulens Herrera Pedro Isaac(キューバ)
《試合経過》岡本は右構えで、相手は左構えでけんかよつで開始。第1ピリオドは赤のキューバがオフェンスで、ローリングを決められて0-1。第2ピリオド19秒にバッティングにより岡本は右目上から出血。止血して試合を続行したが、オフェンスだったグラウンドでローリングを乗られてしまい、0-2で敗れた。
 
※敗者復活戦へ回れず
 

 【96kg級】有薗拓真(山梨学院大)     43位44選手出場

1回戦 ●[0-2(TF0-7=0:25,0-3)]Shalva Gadabadze(アゼルバイジャン)
《試合経過》第1ピリオド12秒でバックを奪われると、そのままローリング地獄で0-7でピリオドダウン。第2ピリオド、有薗は開始早々、腕を捕まえられて場外へ。その後も腕をきめられて自分の攻撃ができずにスタンドが終了。ディフェンスに回ったグラウンドでも、ローリングを決められて0-3で敗れた。
 
※敗者復活戦へ回れず