※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
世界選手権(9月12~18日、トルコ・イスタンブール)の日本代表を含む全日本女子チームが8月30日から東京・味の素トレーニングセンターで大会前最後の合宿をスタートした。調整期間に入ったと思われるが、どの選手も熱の入った練習を展開。男子コーチに積極的にスパーリングを挑むなどして最後の追い込み練習に汗を流した。(右写真=齋藤将士コーチにスパーリングを挑んだ浜口京子)
31日の練習では、栄和人強化委員長(至学館大教)がチーム全体にカミナリを落とすシーンがあり、日本代表選手に緊張が走った。標的は代表選手ではなく、次代をになうべく若手選手。参加している大学生選手は、前日、駒沢体育館で行われた全日本学生選手権で闘い、その後、味の素トレセンへ移動して合宿初日の練習をこなしているが、疲れのせいか、覇気に欠けたからだ。
栄委員長は「日本代表に挑むでもなく、1本(2分3ピリオド)が終われば、それでマットを降りる。納得できずに続けてするわけでもない。こんなことで、日本代表を倒せるわけがない」と、若手の消極的な姿勢を厳しく指摘。選手に「インカレで負けて悔し涙を流しながら、次の日にこんな練習しかやらないのか。あの悔し涙は何だったんだ!」と厳しく言い放ち、選手に自覚を求めた。
「上がいなくなったからチャンピオンになれた、という選手では、世界チャンピオンにはなれない。チャンピオンを引きずり降ろせ。それには、こんな練習では駄目だ」と厳しい言葉が続き、若手を叱咤(しった)した。
7月の世界ジュニア選手権(ルーマニア)で金5個を取り、この世代の実力を世界にアピールしたと思えたが、栄委員長の目には、向上心のなさが目につき、このままではシニアでの勝利にはつながらないとしか映っていないようだ。
この厳しい姿勢は、世界選手権の日本代表選手にこれ以上はないというカンフル剤になったことだろう。合宿は4日まで。
練習を見守る栄和人・強化委員長 | 若手選手のふがいなさに厳しい言葉の栄委員長 |
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