※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
今年の世界ジュニア選手権は7月26~31日、ルーマニア・ブカレストで行われ、きょう22日には男子グレコローマン・チームが、24日には女子、26日には男子フリースタイル・チームが成田空港から現地へ向かう。
今年は女子に金メダル・ラッシュが期待できそう。63kg級の渡利璃穏(至学館大=写真左)と67kg級の土性沙羅(愛知・至学館高=写真右)は今月初めのゴールデンGP決勝大会(アゼルバイジャン)で優勝し、シニアのトップレベルでも通用する実力を証明。同大会で2位となった55kg級の村田夏南子(JOCアカデミー/東京・安部学院高)も、1月にはロシア最高レベルの国際大会の「ヤリギン国際大会」で優勝していて、やはり世界トップレベルの実力を持つ。
59kg級の伊藤友莉香(環太平洋大)も2009年にはシニアのアジア・チャンピオンに輝き、シニアの世界でも実績がある選手。この4選手が実力を最大限に発揮すれば4個の金メダルを期待できる。成富利弘監督(東京・安部学院高教)も、この4選手に関しては「自分の力をすべて発揮すれば、優勝は間違いない」と、金メダルの“大量生産”に自信を見せる。
先月行われた欧州ジュニア選手権ではシニアの世界で通用している選手が見当たらないこともあり、手ごたえをつかんでいる様子だが、「無名の選手が台頭してくる場合もあるので、足元をすくわれないようにしたい」と、気を引き締める。
51kg級の志土地希果(至学館大)はシニアの世界選手権代表権を勝ち取った選手。国際大会は今回が初めてになるので、世界での闘いについては未知数だが、世界最高レベルの日本での闘いを勝ち抜いた実力をもってすれば、優勝を期待してもおかしくはない。成富監督は「世界選手権へ向けて、弾みとなるような闘いを期待したい」と言う。
男子は2009年に両スタイルでメダル0に終わったが、昨年はグレコローマンで「銅1」、フリースタイルで「銀1・銅1」を獲得し、復調の兆しを見せた。この流れを続けたいところ。先陣を切るグレコローマンの嘉戸洋監督(環太平洋大教)は「この世代では、ヨーロッパのグレコローマンとは差があるのは事実」と厳しい闘いを想定しながらも、メダル獲得を目標とする。「世界のグレコローマンを体感し、自分の世界における実力を見極めてほしい」と話し、そのためにも実力を出し切ることを要望する。
120kg級の前川勝利(早大)は6月にシニアのチームに加わってカザフスタンの「プレジデント・カップ」に出場している。「世界でもやっていける可能性は感じる」と、奮戦を期待する。
フリースタイルの和田貴広監督(国士舘大教)は、5月末のジュニアのワールドカップ(ドイツ)に続いての指揮となり、ほとんどの選手の世界における闘いぶりを見ている。グレコローマンほど世界との差を感じておらず、「55kg級の森下史崇(日体大=左写真)や60kg級の桑原諒(早大)らの軽量級では十分に優勝を狙える」と話す。世界ジュニア選手権が現在の年齢区分になった1997年以降、男子ではまだ手にしていない金メダルを持ち帰ることができるか。
出場選手は下記の通り。大会は26・27日が男子グレコローマン、28・29日が女子、30・31日が男子フリースタイル。
◎世界ジュニア選手権(7月26~31日、ルーマニア・ブカレスト) | ||
【男子グレコローマン】 ▼監 督 嘉戸 洋(環太平洋大監督) ▼コーチ 馬渕賢司(中京学院大コーチ) ▼50kg級 香川智彦(東洋大) ▼55kg級 中野智章(日体大) ▼60kg級 山口 優(徳山大) ▼66kg級 遠藤彪吾(明大) ▼74kg級 中村隆春(日体大) ▼84kg級 菊池 崚(青山学院大) ▼96kg級 大坂 晟(早大) ▼120kg級 前川勝利(早大) |
【男子フリースタイル】 ▼監 督 和田貴広(国士舘大コーチ) ▼コーチ 池松和彦(池松オリンピックアカデミー) ▼50kg級=派遣なし ▼55kg級 森下史崇(日体大) ▼60kg級 桑原 諒(早大) ▼66kg級 岩渕尚紀(拓大) ▼74kg級 嶋田大育(国士舘大) ▼84kg級 佐々木健吾(日体大) ▼96kg級 馬場貴大(専大) ▼120kg級 岡 倫之(日大) |
【女子】 ▼監 督 成富利弘(東京・安部学院高監督) ▼コーチ 吉村祥子(エステティックTBC) ▼コーチ 嘉戸 洋(環太平洋大監督) ▼44kg級 谷地美紀(至学館大) ▼48kg級 長沼美香(至学館大) ▼51kg級 志土地希果(至学館大) ▼55kg級 村田夏南子(JOCアカデミー/東京・安部学院高) ▼59kg級 伊藤友莉香(環太平洋大) ▼63kg級 渡利璃穏(至学館大) ▼67kg級 土性沙羅(愛知・至学館高) ▼72kg級 新井明恵(法 大) |