※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
9月にトルコ・イスタンブールで行われる世界選手権の男子96㎏級の日本代表決定プレーオフが7月13日、東京・味の素トレーニングセンターで行われ、有薗拓真(山梨学院大4年)が代表に決まった。大学生で世界選手権のグレコローマン代表になったのは2001年76㎏級の菅太一(日大)以来10年ぶり。山梨学院大の学生としてはフリースタイル76㎏級の小幡邦彦以来の快挙となった。
男子96㎏級は、昨年12月の全日本選手権と今年4月の全日本選抜選手権で北村克哉が優勝したが、負傷していることなどを理由で代表決定が保留に。さらに、北村が全日本選抜選手権でドーピングで陽性が出たことから、全日本選手権3位・全日本選抜選手権2位の森保弘(三重・朝明高講師)、全日本選手権2位・全日本選抜選手権3位の有薗、両大会ともに3位の山本雄資(警視庁)の3人で、誰かが2連勝するまでリーグ戦を行う試合形式でプレーオフが行われることになった。
試合は抽選により、山本-森で始まり、山本が2-0で勝って一歩リード。2試合目の有薗-山本は有薗が2-1で勝利。3試合目の有薗-森も、有薗が2-1で競り勝ち規定の2連勝を遂げた(右写真)。
世界選手権初出場を決めた有薗は「山本先輩はこれまで1勝3敗、森先輩には2戦2敗という成績でしたが、体力に自信があったので、今回のルールは有利だと思っていました。今日は試合の作戦がはまりました。世界選手権では五輪の代表権を取って、自分がロンドン五輪に出たいです」と話した。
なお、この日から男子の全日本合宿が始まり、世界選手権や世界ジュニア選手権代表を含めたメンバーが中心に練習した。佐藤満男子強化委員長(専大教)は「菅平合宿(7月23~27日)前の確認作業が中心」とテーマを掲げた。
合宿は16日まで行われる。 (文・撮影=増渕由気子)
■山本雄資(赤)○[2-0(2-0,1-0)]●森保弘 《試合経過》第1ピリオドのスタンドは両選手ともポイントなし。グラウンド戦で赤の山本がローリングを決めて2-0。第2ピリオドは、30秒に山本がツーオンワンからバックポイントを奪って1-0とし、グラウンドでもそのまま逃げ切った。 |
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■有薗拓真(赤)○[2-1(0-1,2-0,1-0)]●山本雄資 《試合経過》初戦となった有薗は第1ピリオドの序盤からとばして前に出るが、スタンドは無得点に終わり、攻撃権を得たグラウンドでも得点ならず。第2ピリオドのグラウンドでは青の山本が攻撃。開始直後に立とうとした有薗を捕まえて、後ろに倒したように見えたが、チェアマンは無得点。山本のセコンドからチャレンジが入るが、覆らず。ディフェンスを守りきった有薗が1点、さらに山本のチャレンジ失敗で計2点を得た。 第3ピリオドもグラウンド戦となり、攻守の選択権を持つ有薗が、グラウンドをチョイスし、30秒逃げ切って2-1と逆転勝ち。 |
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■有薗拓真(青)○[2-1(0-2,3-2,3-0)]●森保弘 《試合経過》ともに2試合目の両者で全ピリオドがグラウンド戦になった。第1ピリオドは、赤の森がグラウンド戦の終盤でローリングを決めて2-0。第2ピリオドは青の有薗が、ローリングを2度決めて(1度目は乗られたため2失点)3-2として奪い返す。第3ピリオドは、テクニカルポイントが多い森が、オフェンスをチョイス。こん身のローリングをしかけようとしたが、最後は手がすべって自ら仰向けになってしまい、有薗が3-0として勝った。 |
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