2011.06.16

世界V3の山本美憂がロンドン五輪目指して現役復帰

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 1991年に17歳で世界女子選手権47kg級で優勝し、一時代を築いた山本美憂(本名佐々木=右写真)が2012年ロンドン五輪を目指して現役復帰することになり、6月15日、都内で記者会見した。48kg級に参戦する。
 
 会見は終始笑顔で、「(五輪に)いつか出たい思っていた。出る試合、1戦1戦しっかり戦えば(出場は)間違いないと思っている」とロンドン五輪への思いを表した。現役復帰した妹・聖子と練習しているうちに「もう一度試合がしたい」と決意したそうで、36歳という年齢については「これから先、(ハンデを)感じるのかもしれないが、今のところはまだない。でもカバーできる食事面を意識して気をつけていきたいと思う」と話した。
 
 48kg級には世界チャンピオンの坂本日登美(自衛隊)がいて、簡単な道ではないことが予想される。これについては「(坂本は)世界で何度も優勝している素晴らしい選手。しかし、自分も今まで以上の上の上のトレーニングをすると覚悟を決めてきた。自信を持って頑張りたい」と話した。
 
 このあとカナダへ渡って秋まで練習予定で、会見のあと成田空港へ向かった。10月14~15日の全日本女子オープン選手権(静岡県三島市・日大国際関係学部大講堂)に出場し、全日本選手権の出場資格(これまでの慣例だと優勝選手のみ)獲得を目指す。
 
 同選手は1991年のあと、1994・95年の世界選手権でも優勝(94年は50kg級)。1998年世界選手権は銀メダル。2004年2月のジャパンクイーンズカップで敗れてアテネ五輪出場が閉ざされた時以来の選手生活となる。
 
 女子選手の場合、歴史が浅いこともあるが、35歳を超えて選手活動をしている選手はそう多くない。2009年の世界選手権には、世界V5のグドルン・ホイエ(ノルウェー)が39歳で出場(15位)。40歳になった昨年7月もゴールデンGP決勝大会に出場して5位となっている(世界選手権はエントリーしながら不出場)。また、昨年の世界選手権には、55kg級で36歳になった世界V5のアンナ・ゴミス(フランス)が銅メダルを獲得。今年3月には37歳にして欧州選手権に出場し、現役続行している。