※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
世界選手権(9月12~18日、トルコ・イスタンブール)の日本代表を中心とした全日本女子チームが5月30日、新潟県十日町市の桜花レスリング道場で合宿をスタートした。
前回の5月6日からの合宿は、明治杯全日本選抜選手権の直後であり、アジア選手権を控えている時期、さらに桜花レスリング道場の開設20周年の記念イベントがあり、追い込む合宿ではなかった。ハードな練習としては今回が世界選手権代表決定後、初めての合宿となる。
今回は日本協会の高田裕司専務理事が山梨学院大から6人の男子選手を参加させ、男子選手との練習による強化が行われる。これまで、東京で行われた男女の同時合宿で女子選手が男子選手と練習したことはあるが、桜花道場に現役の男子選手が6人も来て女子選手の相手をしたことはなかった。栄和人・女子強化委員長は「女子だけのチームの選手の場合、所属の練習でも全日本合宿でも女子だけの練習となってしまう。時にパワーのある男子選手と練習することが必要。吉田沙保里(ALSOK)といえども、男子選手相手ではスピードで翻ろうすることができず、なかなか勝たせてもらえないのが現状。そうした中での練習を積ませたい」と、その目的と効果を話した。
高田専務理事は片足タックルと、それを切られた時の対処方法を中心に、熱心な技術指導を行った。
夕食後は昨年の世界選手権のビデオを見て、選手とコーチが意見をかわすミーティングが時間をかけて行われた。2004年アテネ五輪の前はミーティングにかける時間がかなりあったというが、いつの間にか回数も時間も減っていたという。「初心に戻り、意見を交換し、レスリングを研究することに時間をかけたい」と栄委員長。ロンドン五輪への勝利へ向けて、並々ならぬ決意を話した。