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2011.05.21

【特集】かみつき、目突きにも負けなかった! 菅原ひかり(愛知・至学館高)は初出場で銅メダル

※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。

 【タシュケント(ウズベキスタン)、増渕由気子】“弱冠17歳のスーパー高校生”菅原ひかり(愛知・至学館高)は、アジア選手権デビューで堂々の銅メダルを獲得した。(右写真=3位決定戦で闘う菅原)
 
 3月のワールドカップ(W杯=フランス・リーベン)でシニアの日本代表デビューを果たした。2度目のシニア大会は、海外の洗礼を受ける厳しい闘いだった。「雰囲気も日本の大会と全然違うし、緊張した」と、初戦のベトナム戦では硬くなってしまった。それでも「攻めれば勝てる」を合言葉にタックルを連発。2-0でテクニカルフォール勝ちした。
 
 準決勝の中国選手は、昨年のアジア選手権48㎏級のチャンピオンで、その時は三村冬子をフォールで下した強敵だ。菅原がW杯で対戦して負けた相手は、今大会は48㎏級に出場したためリベンジの機会はお預けになってしまったが、層の厚い中国は誰が出てきても強敵。第1ピリオドはフォールの体勢へ持ち込まれ、第2ピリオドも3-7と大差で負けて3位決定戦にまわることになった。
 
 「絶対にメダルはほしかった」と気合を入れて3位決定戦に挑んだが、ここで菅原に海外の洗礼が待っていた。相手のカザフスタンの選手は、菅原以上に勝ちにこだわるレスリングをしてきた。
 
■勝つために汚いこともやってくる外国選手

 グラウンド戦でもつれたすきを狙って何度も菅原にかみついてきた。「顔や指、そして手首をかまれました」。手首を見ると歯型がくっきりとついていたため、審判に抗議(左写真)。認められて相手にコーションが与えられたが、それだけではなかった。「目も突かれたし、髪の毛も引っ張られた。日本でマナー違反といえば、手首をずっとつかむくらいで、しかも審判はすぐに注意してくれる。日本では経験したことがなかった」。それでも、自分の形を崩さずに、タックルからの攻撃で2-0とストレート勝ちを収め、女子のメダル第1号となった。
 
 噛み付きといえば、2008年北京五輪で男子フリースタイル55㎏級銀メダルの松永共広(ALSOK)が世界王者のベシク・クドゥコフ(ロシア)を抑え込んだ際に顔をかみつかれたことが有名。菅原はニュースでそれを知っていたが、「男子だけのことだと思った。まさか女子選手もこういうことをするなんて…」と驚きを隠せなかった。
 
 「海外の選手はやりやすいけど、向かってくる気持ちでは、日本人より執念がすごい」と悟った菅原。外国選手の勝利にかける執念を体で学んだことが、今大会の一番の収穫だった。
 
 3月のW杯、4月のジュニアクイーンズカップと全日本選抜選手権、今大会と大会が続いているが、疲れをものともせず、来月の上旬にはアジア・ジュニア選手権(インドネシア)に出場する。「それでは優勝できるようにしたいです!」。今大会の経験を生かし、同世代のアジア・チャンピオンは確実にとりたいところ。