※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
(文・撮影=増渕由気子)
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「宣誓 東日本大震災では、多くの尊い命が奪われ、被災地では、今も多くの方々が避難所での厳しい生活を余儀なくされています。このような中で、私たちレスリング選手にできること。それは被災者の皆様、そして、私たちの仲間に『勇気』と『希望』をお届けすることです。『がんばろう日本!』。1試合、1試合、全力を尽くし、最後まであきらめずに、闘いぬくことを誓います―」。
2009年アジア選手権59kg級チャンピオン、伊藤友莉香(環太平洋大)の熱いメッセージが込められた選手宣誓(右写真)で幕を開けたジュニアクイーンズカップ選手権。未曾有(みぞう)の大震災からわずか3週間後に行われた大会は「災害復興支援大会」と銘打たれ、日本協会の様々な取り組みが行われた。
大会初日は、五輪2大会連続メダリストの吉田沙保里選手と伊調馨選手(ともにALSOK)、浜口京子選手(ジャパンビバレッジ)と父・アニマル浜口さんが、それぞれ募金箱を持って来場者に義援金を呼びかけた。4名に加えてJOCアカデミーの男子選手6人(今季入校選手を含む)も参加。元気いっぱいに会場内を歩き回り、募金をお願いした。
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10時の試合開始から昼ごろまで行われた募金活動にはたくさんの来場者が協力。募金協力者に、五輪メダリストとアニマル浜口さんは、直筆サインで応えるなどして奮闘した。JOCアカデミー所属選手は、同年代のトップ選手で父兄たちに顔が広い。会場内を歩くと、大勢の父兄らが呼び掛けに応えてくれた(左写真)。
また、協会スポンサーの株式会社アシックスの協力で、協会オリジナルTシャツを作成。一枚2000円と手ごろな上に、SやSSサイズなどは背中に北京五輪全メダリストのサインが印刷され、プレミアものとなっている(右下写真)。売上金は全額被災地に寄付される予定だ。
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■吉田沙保里選手「レスリング会場で初めて募金活動をした。たくさんの方がしてくれて気持ちが伝わった」
■伊調香選手「たくさんの方々が募金をしてくれた。このお金が東北地方の力になればいいと思う」
■浜口京子選手「地震は今まで味わったことのない恐怖だった。東北地方の方に私ができることがあればいいなと思っていた。みなさんがたくさん協力してくれた。この気持ちが東北に届くと信じている」
■アニマル浜口さん「みなさんに募金をたくさんいただいて、うれしいですね。私は(そのうち)現地に行って、私なりの方法で(被災者を)元気づけたい心境です」