※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
男子グレコローマン84kg級 決勝】
岡太一(青=拓大)○[2-0(3-0,4-0)]●斎川哲克(両毛ヤクルト販売)
「はかないもの」の例えは数多くあるが、「チャンピオン」も、そのひとつかもしれない。2008年の全日本選手権から常に日本一の座を占め、昨年のアジア選手権では銀メダルを獲得するまでに成長した男子グレコローマン84kg級の斎川哲克(群馬ヤクルト販売)。年の最後をしめくくって2011年こそ世界で飛躍する年としたかっただろうが、全日本選手権の決勝でつまずいた。
打倒斎川を果たしたのは、今年学生の四冠を制した岡太一(拓大)。第1ピリオド、斎川の投げの失敗に乗じて取った1ポイントがきっかけで試合の流れをつかみ、第2ピリオドは見事な腕取りガッツレンチを決めて勝利を引き寄せた。斎川はこの2年間、ほとんどの試合を2-0で勝ってきており、第1ピリオドのスタンドでポイントを取られたことは初めて。経験のない状況に追い込まれて本来のペースを出せなかったわけではないだろうが、先取点が勝敗を分けた感のある試合だった。
世界の舞台で昇り調子だった斎川の勢いをしのいだ岡の成長曲線。これまで学生四冠王に輝いた日本選手は7人いるが(斎川もその1人)、その年の全日本選手権も勝った選手は1993年の片山貴光と2004年の田中章仁の2人だけ。いずれもその勢いを翌年以降につなげ、日本代表をキープし続けた。新旧学生四冠王者同士の対決は、どう展開していくか。
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斎川の投げの失敗に乗じて岡が1点。 |
1-0のあと、すぐにガッツレンチ。 |
第ピリオド、スタンドで必死に攻める斎川。 |
岡は斎川の左腕を極めてガッツレンチ2度。 |
学生四冠制覇の勢いは止まらず日本一へ。 |