※本記事は日本レスリング協会に掲載されていたものです。
【男子グレコローマン55kg級 決勝】
長谷川恒平(赤=福一漁業)○[2-1(0-1,1-0,1-0)]●峯村亮(神奈川大職)
2007年全日本選手権で打倒・豊田雅俊を果たして優勝し、この階級の第一人者の地位を奪った長谷川恒平(福一漁業)。昨年11月のアジア大会で世界5連覇中の選手を破って金メダルを獲得し、国内のみならず海外でも確固たる強さを確立しつつある。今回の全日本選手権前までに、日本選手相手に29連勝をマークしており、うち22試合がフォールか2-0の勝利だ。
そんな実力者であっても、現行ルールでは第1ピリオドを取られてしまうと勝敗の行方が分からなくなってしまう。決勝では、第1ピリオドにスタンド・グラウンドともポイントが取れず、0-1で先取されるという苦しいスタートとなった。第2ピリオドのグラウンドの防御をしっかり守って1-0。ピリオドスコアは1-1へ。
勝負の第3ピリオド。もしスタンド戦が0-0に終わったら、勝負の行方は本当に分からなくなる。しかし長谷川は40秒すぎ、胴タックルを決めて貴重な1点を獲得。ボールピックアップに勝負を託することなく勝利を引き寄せた。勝負どころで1ポイントを取れる技量こそが、アジア王者の実力。無敵の世界王者を破った実力が、2011年にさらに爆発するかー。(撮影=矢吹建夫) 《
VTR》